アルファロメオGTVの故障リスクは高いのか?
アルファロメオGTVの故障リスクは高いのか?というテーマでお伝えします。アルファロメオGTVに興味のある方は以下の記事も参考になります。
アルファロメオ車のメンテナンスに対する大切な考え方
アルファロメオ車を中古で購入する時のポイントとは?
アルファロメオ伝統のツインスパークエンジンの凄さとは?
古いアルファロメオ車のあるある実体験記
アルファロメオ車の故障とメンテナンスについてかなり学べます。
アルファロメオGTVの「GTV」は、Gran Tourismo Veloce(グランツーリスモヴェローチェ)の略です。最近アルファロメオ・ジュリエッタがモデルチェンジしましたが、その最高級グレードにもこのヴェローチェの名が用いられています。
アルファロメオに関しては車種別に解説していますので、興味のある方は一度ご覧ください。
GTVというのはアルファ伝統のネームとして有名で、アルファロメオのこのクルマに対する思い入れが伝わってきます。そんなアルファロメオGTVですが私もいざ購入しようとするとややハードルの高さを感じます。それはどういうことかというと、年式的に見ても古さから来るマイナートラブルが避けられないからです。どんなに程度の良い中古車を見つけることができたとしても、大なり小なり何かしらのトラブルはあると思っておいた方がいいです。
そのような点がアルファGTVのハードルを引き上げていると言えます。これはアルファロメオだから故障しやすいから、という意味ではありません。国産車だろうがドイツ車だろうがこれぐらいの古いクルマでは何かしらの想定外のトラブルはつきものです。ですがそれでもGTVは予備知識と予防メンテナンス次第で日常の足として活躍させることができるくらいの可能性を持っていると思います。
アルファロメオGTVの故障しにくいエンジンはV6かツインスパークか?
アルファGTVにはエンジンが4種類あります。
- 2.0リッターV6ターボ
- 3.0リッターV6
- 3.2リッターV6
- 2.0リッターツインスパーク
この中でどれが一番故障しやすいということは一概には言えません。メンテナンスにかかる手間、つまり工賃が安いのはツインスパークになります。ですがアルファのV6エンジンは知る人ぞ知る名機で、エンジンの美しい外観やその官能的なエンジン音は鳥肌物で、他社メーカーのどのエンジン音よりも素晴らしいとの評価もされています。マフラーを変えることによってフェラーリのF1マシンのような排気音を作り出すこともできる数少ないエンジンです。
現行のアルファロメオのエンジンにはない魅力がウリですので、多少維持費がかさんでもV6エンジンを選択する価値はあると思います。ツインスパークもアルファロメオの代名詞的なエンジンですので、どちらをとるかは好みによるところが大きいと思います。ちなみに私はいろんな点を考慮してツインスパーク派ですが、私のアルファ155も古いツインスパークエンジンが搭載されています。
アルファロメオGTVを故障させないためのメンテナンス方法は?
自動車の構造は基本的にどれも同じ、ということを聞いたことがあるかもしれません。実際クルマのメンテナンスに日本車も輸入車も欧州車もないです。フェラーリのF1マシンなどの高性能なマシンでもない限りメンテナンスにおいては共通点が多いです。自動車教習所ではオートマ限定免許の人でも必ずボンネットをあけてあれこれ説明されると思います。初めてボンネットを開けて説明されてもよくわからなくて当然なので、よくわからないままで来てしまっている人が多いと思います。
私がアルファ155のボンネットを開けて点検していると、たまに国産車に乗ってる人が「日本車はメンテナンスフリーなのに大変そうだね」なんていう人がいます。そう思うのも分かりますがですが、どんな車だって手入れ無しでは調子が悪くなって当然だとも思うのです。私は恥ずかしながらプロにいちいち車を点検してもらうお金の余裕がありません。なぜなら自動車の維持に最もお金がかかるのは工賃、つまり人件費だからです。節約のために自分で説明書を見ながらやっています。お金がないというならば、節約したいと思うならば車屋さんにまかせっきりではなく自分でも点検して異常がないか点検してみる、というアクションも求められると思います。
欧州車のメンテナンスとセグメント分けの関係
欧州車は「セグメント」と言われる車格によってだいたいのメンテナンスサイクルが決まってきます。セグメントとは簡単に言うと車の格付けのことです。A、B、Cなどアルファベットで表現され、アルファベットが大きくなるにつれて高級度が上がります。国産車の例で表現すると、
- Aセグメント・・・軽自動車全般
- Bセグメント・・・ヴィッツ、マーチ、デミオなど
- Cセグメント・・・アクセラ、オーリスなど
- Dセグメント・・・マークX、スカイライン、レガシィなど
- Eセグメント・・・クラウン、フーガなど
というように、だいたいこんな感じです。それでアルファロメオGTVはこの中でもだいたいC~Dセグメントくらいの位置になります。C~Dセグメントの欧州車は基本的に5万キロ走るごとに以下の消耗品を交換するというのが本国でも常識です。
- スパークプラグ
- イグニッションコイル
- プラグコード
- タイミングベルトキット
- ウォーターポンプ
- ブレーキパッド
- ブレーキパッドセンサー(ブレーキパッドと一緒に交換)
- ブレーキディスク
- ブローバイホース
- ヘッドカバーガスケット
- フューエルフィルター
- エアフィルター
- クランクシャフトセンサー
- カムシャフトセンサー
- アッパーマウント
- フロントショックアブソーバー
実際は上記の部品に加えて交換工賃がかかります。まずはパーツの意味よりも走行距離によってこれだけの消耗品が発生するんだということを頭に入れておくことが大切です。アルファGTVの場合も当てはまりますが、V6エンジンの方が全体的に工賃やパーツ代が高額になってきます。国産車でも5年目の車検って急に高くなりませんか?国産車でもこれに近い整備を車検時に一気にやっているからです。車検の見積もりを一つチェックする人もそこまでいないでしょうから、分かりにくい部分ですよね。
新車で買って5年目ということは、1年1万キロとするとちょうど5万キロですよね。例えば5万キロ程度の中古のアルファGTVがあったとします。これを上記のメンテナンスをせずに乗りっぱなしにしたらどうなるでしょうか?ブレーキパッドが減ってくるのでセンサーが反応してチェックランプが点灯します。プラグが劣化して火花が飛ばなくなりエンジンがかからなくなるかもしれません。このリスクはフォルクスワーゲンだろうがメルセデスベンツだろうが一緒です。国産車だってメンテナンスを怠ればそのような事態になります。
でも国産車の場合は中のセンサーの感度が悪く設定してあり、整備士さんがお客さんに「そろそろ交換ですよ」と言わない限り教えてくれません。あなたも整備士さんに「○○のパーツ交換が必要です」と言われないとどんなメンテナンスをしていいか分からないですよね。反対に欧州車の場合、本国では乗ってるドライバーがあまりにもメンテナンスをサボるので、困った自動車メーカーはクルマのセンサーを厳しく設定しました。その結果、少しでもメンテナンスを怠けると車がガタガタ言って「早くメンテナンスしろ」と警告するようになりました。なので欧州車はクルマがドライバーに対して強く警告するようになったのです。
そんな車を日本人が乗ったら故障と大騒ぎになるのは目に見えています。裏を返せばアルファGTVの中古を買っても購入時に上記の消耗品さえ交換していけばある程度のトラブルを避けることができるということです。そして購入するときは車両本体価格だけを見ていては足りません。必ず消耗品の交換を見越した費用を加味する必要があります。そして全部交換したらいくら必要なのか、最終的に車を買う時にどの程度の見積もりを出してくれるのか、販売店はどの程度頑張ってくれるのか、というところまで話を詰めるのです。それさえ知識として入れておくと買ってから大きな失敗をしたということも少なくなるはずです。あなたの車選びの参考になれば幸いです。