こんな販売店から買うとアルファ159は故障する
アルファロメオ159の故障を防ぐ購入術を解説ということでお伝えしていきます。アルファロメオ159に興味のある方は以下の記事も参考になります。
アルファロメオを維持していくための意外なコツとは?
アルファロメオ車は長く乗れないのか?
アルファロメオ車の本国式メンテナンスとは?
アルファロメオ車の故障とメンテナンスについてかなり学べます。
アルファロメオを買おうと思ったらまずは販売店選びが重要です。私はこれまでに民間の中古車販売店でオペルを1台、アルファロメオを1台買いました。不思議なものでどんなに優秀な車でも販売店がダメダメだとトラブってしまうことが多々あります。アルファ159はアルファロメオの中でもダントツにトラブルが少ない車で、私も車を買い替える時に必ず候補に挙がる車です。
最初はネットや大手中古車サイトで車を検索すると思います。そこで値段とか内装の写真とかいろいろ見られると思いますが、実はその商品ページで中古車に関して色々なことが分かってしまいます。
アルファロメオ159の商品ページを見て分かること
僕がその販売店から「買っても大丈夫そうかな?」と判断する材料としては、中古車サイトに掲載されている写真を見ます。一見写真の枚数も多くて親切な印象を受けるかもしれませんが、中に159の外観や内装の写真しか載せていない販売店があります。それは販売店が「見た目さえきれいなら売れるだろう」と思っているからです。
- お客さんはエンジンルームなんて見ないだろう
- お客さんは見た目のきれいさで選ぶだろう
しかし中古車の写真で確認すべき写真はエンジンルームの汚れ方です。エンジンルームはクルマの心臓となる重要な部分です。それを見せないということは何か見せられない理由があるのかな?と思ってしまいます。
「保証なし」のアルファロメオ159が意味すること
中古車の商品ページをペラペラめくっていると色んな事がわかってしまいます。中でも車の保証の部分は特に気になる部分です。結論から言ってしまえば保証なしのアルファ159は候補から外してしまった方が身のためです。その理由は販売店の立場に立ってみれば分かります。保証がつけられないということはそのアルファ159のコンディションに自信がないということです。
もしくはアルファ159のセレスピードの構造についてよく理解しておらず、故障に関する保証ができませんよという態度の表れともいえます。もし購入を検討する際は保証を1~3カ月つけるという条件を飲んでもらえるかどうか様子を見ましょう。それで保証をつけてもらえるのであれば販売店は納車してもトラブルが起きないようある程度の予防整備を施してくれるはずです。それでなんだかんだと理由をつけて断られたら、やめておいた方がいいでしょう。
試乗ができないアルファロメオ159を選ぶリスク
アルファ159以外でもそうですが試乗できない中古車選びほど怖いものはないのではないでしょうか?車は乗ってみないと分からないことがあります。それはエンジン音や走行時の物音などです。特にセレスピードは前オーナーが雑な管理だったかどうかである程度分かってしまいます。雑な管理というのは専用オイルの交換をサボったとか、激安車検で済ませてきたとかいろいろあります。そのようなぞんざいな扱いを受けるとセレスピードの変速ショックが大きくなるなどの異常が出てきます。なんだかんだ理由をつけて試乗をさせてくれない販売店はそのような車の不調を隠している可能性があります。
故障のリスクの少ないアルファロメオ159の選び方は?
販売店を厳選することである程度大きな失敗を防ぐことはできますが、アルファ159の状態を見分けることができればさらに安全に購入を決めることができます。車のコンディションを知るには以下のような点をチェックするといいです。
走行距離5万キロ前後のアルファ159が狙い目な理由
走行距離はクルマのコンディションを知るうえでかなり重要なポイントとなります。これによって車そのものの値段がだいぶ変わってきますよね。走行距離が10万キロ越えのアルファ159は確かに割安ですし簡単にくたくたになるクルマではありません。しかし10万キロも走ったアルファ159は、
- ウォーターポンプ
- サーモスタット
- カムシャフトセンサー
- クランクシャフトセンサー
- イグニッションモジュール
- スパークプラグ
- プラグコード
- ブレーキパッド
- ブレーキパッドセンサー(ブレーキパッドと同時交換推奨)
- ブレーキディスク
- アッパーマウント
- ショックアブソーバー
- ブローバイホース
- ヘッドカバーガスケット
- フューエルフィルター
- エアフィルター
- エアフロメーター
- フューエルポンプ
- O2センサー
- アイドル制御バルブ
どんな部品か分からなくてもいいのですが、ちょっと車のことが分かる人からすれば思いつくだけでもこれだけの部品の交換を検討する必要があります(加えてしっかり交換されてきたかどうかの履歴が確認できるか)。もしこれだけの消耗品を交換せず乗りっぱなしにしていたらどうなるかは想像できると思います。それに加えて159のセレスピード車では、
- セレポンプ
- アキュームレーター
- リレー
などのセレスピード用の消耗品交換も検討する必要があります(詳しくはセレスピード故障を防ぐ方法!アルファロメオとの付き合い方をご覧ください)。これだけの消耗品を一気に交換するとなるとまとまった金額になってしまうのがお分かりいただけると思います。どんな車でもそうですがいきなり10万キロ走行の中古車を購入するという事は実はかなりハードルが高いのです。そのような点からちょっと高くても走行5万キロ程度を狙うべきです。
これはアルファ159に限った話ではなく国産車でも他のドイツ車などでも同様のことが言えます。アルファ159の場合タイミングベルトの交換の必要がないので実は意外と安上がりになります。それに加えて5万キロ越えのアルファ159は十分な慣らし運転が済んでいるうえ、初期トラブルが出尽くしていて、前オーナーが修理してくれている状態のものが大半です。実は中古車には新車にはないそのようなメリットもあるのです。
定期点検記録付きでワンオーナーのアルファ159は狙い目!
中古車を選ぶうえで欠かすことができないのが前オーナーがどんなメンテナンスをしていたかという点です。ディーラーでしっかりメンテナンスされた車を買うことができたら安心ですよね?ですが残念ながら中古のアルファ159のなかには雑に扱われてきたものもあるのが事実です。それを確かめることができるのが、定期点検記録というものです。これは車がいつどこで何をメンテナンスされてきたかを知ることができる大変重用なものです。
車屋さんで修理したことのある人なら知っているかもしれませんが、車屋さんは修理や点検をした後に必ずこの記録簿を発行してくれます。今のあなたのクルマもしっかり点検やメンテナンスをしていれば、車検証のケースの中に一緒にしまってあるはずです。これをみればきちんとメンテナンスされてきたかどうか一目瞭然になります。ちょっと難しくて分からない人は、販売店の人に「このクルマはディーラーでメンテナンスされてきたんですか?」と聞くようにするといいでしょう。そこでごまかされたりお店の人もよくわかっていないような態度をとられたらもうちょっと突っ込んだ質問をして様子を見るといいです。
私が買ったアルファ155の販売店の方は、前オーナーさんがどんな人でどんなメンテナンスをされてきたかしっかりと教えてくれました。そのような誠意を見せてくれる販売店で購入できたらいいですよね。しかしこれがワンオーナー車でないと整備履歴の追跡が難しくなってしまいます。3番目のオーナーがあなただとしたら雑に扱われてきた分のメンテナンスまであなたがしなくてはいけなくなります。そういった理由からアルファ159は定期点検記録付きでワンオーナーを狙いましょう!ということになります。
アルファ159を買ってすぐ故障させないためにやっておきたいことは?
ちょうど程度のよさそうな5万キロ前後のアルファ159が見つかったとします。そのまま乗っても大丈夫なのですが、
- 購入する際に一緒にチェックしておきたいポイント
- 購入する際に交換をお願いした方がいい部品
などをしっかり確認しておくことで、購入後も安心してアルファライフを楽しむことができます。
アルファ159のセレスピードの動作のチェック
アルファ159のセレスピードは従来のものよりアップグレードしており、初めて乗る人は普通のオートマと勘違いするくらいスムーズな動作をします。そのようなセレスピードの調子の良さを試乗では必ず意識してチェックしたいですね。試乗できない場合は潔く別の販売店に行った方がいいかもしれません。ヘタってしまっているセレスピードの特徴は、
- 変速動作が重たい感じがする
- 運転席ドアを開けたときの「キュイーン」というモーター音が鈍重な感じ
というような雰囲気が伝わってきますので、初めての人でも何となく感じ取ることができます。
アルファ159の意外な故障ポイント
アルファ159の試乗のついてに触っておきたい部分があります。それはパワーウインドウの動作のチェックです。パワーウインドウは4枚あると思いますが、
- 1枚だけ動作が遅い気がしたり
- 開閉するとき引っかかる感じがする
という場合はガラスを持ち上げるレギュレーターという部品が寿命の可能性があります。また、これは試乗後にチェックしてもらいたい部分になりますが後部座席からガソリンの臭いがしてこないか確かめてみてください。もしガソリンの香りがほんのりしてくるようなら、それはガソリンをくみ上げるフューエルポンプという部品が寿命を迎えています。ガソリンの香りがするからと言って引火して爆発するようなことはひとまずありませんのでご安心下さい。そしてアルファ159を乗るうえで注意していただきたいのが、車体が止まった状態でハンドルを切らないという事です。この行為をすえ切りと言いますが、実はステアリング系統にかなりの負荷がかかる行為なのでやらないようにしましょう。どんな車でも同様です。
アルファ159の購入時に部品交換してもらうとアフターが安心
以上のように購入前にある程度コンディションを確かめることができます。特にこれまで紹介してきた
- セレスピードの状態
- フューエルポンプの寿命
などは日常の足として使う際に支障をきたす恐れのある重要な消耗品になります。なので調子悪そうだな、と分かった時点で最初にトラブルを見越して予防整備しておくことがとても理想的です。『セレスピード故障を防ぐ方法!アルファロメオとの付き合い方』では、セレスピードのメンテナンスについて詳しく解説していますのでぜひ一度ご覧いただくことをお勧めします。
アルファロメオ159は壊れないイタリア車になった
アルファロメオ159の故障について解説させていただきました。アルファ159も含めて現在は本当に輸入車が維持しやすくなっていると思います。どこか調子が悪ければ、コンピューター診断機をつないで大抵のトラブルは分かりますし、インターネットが普及しているので買う前に情報収集することも容易になっています。欧州車の場合、部品が高ければ社外品で応用したりできます。
工賃が高ければ複数の工場で見積もりを取ることも簡単にできるようになってきています。国産車のマイナートラブル解消のノウハウを欧州メーカーが積極的にとりいれてきたことによって、欧州車のトラブルも本当にゼロに近いレベルにまで来ていると思います。あなたにとってステキな車に出会えることを願っています。