アルファロメオGTは故障するのか?イタリア車はポンコツか?
アルファロメオGTは故障するのか?イタリア車はポンコツなのか?というテーマでお伝えしていきます。アルファロメオのGTに興味のある方は以下の記事も参考になります。
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アルファロメオ車の故障とメンテナンスについてかなり学べます。
アルファロメオGTは2004年より日本に導入されました。ファンの間ではアルファGTもしくはGTなどと呼ばれ今でも根強い人気を誇っています。
出典:Alfa Romeo GT JTS Car Review/mynrma
アルファロメオの中古車の中でも比較的値段がこなれてきたため、これを機にアルファGTに買い替えてしまおうかと考えているユーザーも増えてきているように思います。私も初めてのアルファロメオ候補として候補に挙げているほど魅了的な車でした。私の場合はアルファ147に縁がありましたが、イタリア車ビギナーにもお勧めできる車だと思います。アルファロメオGTの故障はどうなんでしょうか?個人的な見方ですが、アルファGTでは致命的な故障はごくまれだと思っています。
あるとしてもそれはするべきメンテナンスをサボってしまい、不調を全部車の出来のせいにしてしまうような人が言っているだけだと思います。もちろん車は機械なので例外はつきものとはいえ、アルファロメオGTという車はイタリア車ビギナーの人にもお勧めできる完成度の高さと言えると思います。また、アルファGTの場合は歴代傑作アルファの部品を多く採用しています。なのでメーカー側も手慣れたようで、基本的な部分には不具合の心配はほとんど不要でしょう。しかし新車からの初期トラブルは少なからずあったクルマです。現在は中古車のみ流通していますが、前オーナーが初期トラブルに見舞われて修理している個体はけっこう多いです。具体的には、
- ヘッドライトのレンズに雨水がたまる
- テールランプが曇ってしまう
- 天井に雨漏れの跡がある
などなど、初期ではちょっと笑えないトラブルが出ています。これからアルファGTを購入しようとする方はこうした初期トラブルがすでに改善されているであろう個体を狙っていく必要があります。走行距離が3万キロ未満程度のアルファGTでは、買ってしばらくしてから初期トラブルが出てしまうなどの可能性が否定できません。保証付きの中古車でない限りは何かあった時に自腹を切るほかないのでちょっと損した気分になります。詳しくは『アルファロメオブレラを故障させないための購入術!』などの各項目にて、故障させない中古車選びについてお伝えしていますので是非一度ご覧いただくことをお勧めします。
アルファロメオGTのエンジンは故障する?
アルファロメオGTのエンジンは基本的に2.2リッターJTSという直噴エンジンを採用しています。アルファGTにはもう一つ設定があり、3.2リッターV6エンジンがあります。どちらもエンジン音や走行フィールに定評があるエンジンでドイツ車や他の欧州車と比較しても官能的で、乗っていてアルファ独自の気持ち良さを感じることができます。しかしJTSエンジンは長い目で見てエンジン内部に黒いすすが溜まりやすい仕組みとなっています。これは同じJTSエンジンを搭載したモデルのアルファ156でも同様のことが起きます。エンジン内部にすすが溜まるとアイドリングがばらつくなどの症状が出てきますが、これらは走行距離10万キロ以上を超えた個体で稀に出てきます。
出てきたとしてもただちに悪影響が出ることはありませんが、一度すすが溜まってしまうと除去が大変です。なので、購入後はできるだけすすを溜めないようなメンテナンスを心がけるようにします。エンジン内部にすすを溜めないようにするためには、エンジンオイル交換を定期的にしっかりやることです。オイル交換をサボることを繰り返すとすすが溜まりやすいエンジンですので、どんどん汚れてしまうということを覚えておいた方がいいです。
アルファロメオGTの故障を防ぐためのメンテナンスとは?
アルファロメオGTの故障についてお伝えしてきましたが、GTは比較的トラブルが少なくイタリア車ビギナーにもお勧めしています。ですがどんなに調子のよいアルファGTを購入できたとしてもそれを維持していくためのメンテナンスは必要になります。メンテナンスは車屋さんに預けっぱなし、任せっぱなしの人が多いと思います。ですが欧州車の場合、同クラスの国産車と比較して交換サイクルが早い部品が存在します。なのである時突然、
「○○の交換が必要ですね」「そろそろ○○という部品が交換時期です」
などとお店から告げられ、驚いてしまうことになるのです。しかも決して安くないものもありますので、いきなりそんなお金用意できない!ということになりやすいのです。そういった事態を防ぐためにもアルファGTのメンテナンスサイクルについてあらかじめ把握しておくことが大切です。アルファロメオGTを維持していく上ではしっかりとメンテナンスサイクルを管理していく必要があります。それを把握しているのとしていないのとでは、後々の出費や精神的な面、故障に合うリスクも大きく変わっていきます。
あなたはアルファGTを購入してからのメンテナンスはどうするか考えているでしょうか?例えばオイル交換はいつやるか、やるとしたら料金はいくらかかるのか?などしっかりと調べているでしょうか?アルファGTの場合、イタリア車だからといって特別なエンジンオイルが必要というわけでもありません。ですがエンジンがJTSという汚れやすいエンジンが搭載されていますので、そのことをよく知らない中古車販売店で言われるがままオイル交換をしていたらトラブルのもとになるのは言うまでもありません。
JTSエンジンを搭載したアルファGTでは、同クラスのアルファロメオより比較的早いサイクルでオイル交換することをお勧めします。アルファロメオ147が5千キロに1回ほどなので、GTの場合は気持早めで4千キロに1回程度がいい、などです。そのような軽いメンテナンスは息をしてるようなもので、アルファGTをはじめとする欧州車では「メンテナンスの大原則」というものがあります。メンテナンスの大原則というのは何が基準かというと、それは走行距離です。なぜ走行距離ごとのメンテナンスなのかというと、アルファGTはそもそも日本のような車検制度の基準では作られていないからです。
日本の車検制度のように2年に1回やればいいや、のメンテナンス感覚で行くと必ず出費はかさみますし、故障のもとになってしまいそうですよね?それを知らない、何にも知らない日本人が欧州車に手を出してしまうパターンが続出することによってイタリア車は故障するという風評が出回るのです。アルファGTはあくまでイタリアから来た車ということを忘れてはいけません。向こうの国では走行距離を目安に必要な部品を交換していくという常識があるんだ、その部品交換には目安となる距離があるんだ、ということをまずカルチャーショックとして受け入れる必要があります。
アルファGTを故障させない本国式のメンテナンス
アルファGTの場合、よく問題視されるのが「セレスピードの故障」です。セレスピードの調子が悪い、セレスピードが壊れたと嘆くユーザーは実際少なくありません。ですがそれは、
- セレスピードを普通のオートマ車だと思っている
- セレスピードはメンテナンスフリーだと思っている
- セレスピード自体故障するから避けるべきであるという人が多い
という情報が出回っていることが原因です。『セレスピード故障を防ぐ方法!アルファロメオとの付き合い方』では私が実際にアルファ147セレスピードで体験したメンテナンスや故障させない方法を紹介していますので、ぜひ一度ご覧いただくことをお勧めしています。次にアルファGTの本国式メンテナンスの常識についてお伝えします。アルファGTをはじめとする欧州車では、だいたい5万キロごとに消耗品の交換が集中するようになっています。ではどのような部品があるのでしょうか?具体的な部品を挙げていきますと、
- スパークプラグ
- イグニッションコイル
- プラグコード
- タイミングベルトキット
- ウォーターポンプ
- ブレーキパッド
- ブレーキパッドセンサー(ブレーキパッドと一緒に交換)
- ブレーキディスク
- ブローバイホース
- ヘッドカバーガスケット
- フューエルフィルター
- エアフィルター
- クランクシャフトセンサー
- カムシャフトセンサー
- アッパーマウント
- フロントショックアブソーバー
え!?こんなに部品交換が必要なの?と思われるかもしれません。ですがヨーロッパ本国ではごく当たり前のように、5万キロ前後でこれらの部品を交換しているのです。日本のように2年に一回の車検が向こうの国ではあったりなかったりするので、走行距離を見て自分たちでいつ部品交換をしたらいいのか把握しておく必要があるのです。これはアルファGTのみならず、同じくらいのサイズのBMWやメルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、フィアット、ルノー、プジョーなどでも同様のことが言えます。
私が以前乗っていたオペル・アストラクーペでも同じです。メルセデスはちょっと格上の車になり、部品代が他の同クラスの欧州車と比較して高めの設定になっています。それに比べればアルファロメオの部品は他のメーカーより安いかもしれません。アルファロメオは日本では高級車のようにもてはやされたりしていますが、本国ではごく普通なクルマだからです。
欧州車のメンテナンスの大原則ではけっこうな量の消耗品交換が発生します。なのでそれを5万キロになったから一気にやろう、では苦しいのです。走行距離5万キロというと、年間1万キロ走ったとして5年ですよね?それって新車時から2回目の車検に当たりますよね?3年目の車検より5年目以降の車検がなぜか高いと感じたことはありませんか?それは国産車でもなんでもクルマというのは5年もしくは5万キロを迎えると一気に部品の寿命が来るからです。それを車検を機に一気にやってしまうのですごい金額になってしまうのです。車屋さんからすると車を買い替えてくれるかもしれないチャンスなのですが、お客さんである私たちからすれば苦しいのです。欧州車でも国産車でも車検の金額が高額になってしまう原因は、車検の時に一気にやるからです。
でもよく考えてみると、アルファGTなどの輸入車は本国では車検制度がない場合があります。だから部品交換なんて、「今月はブレーキパッドを交換してもらおう」とか「お金がたまったらスパークプラグでも交換しとくか」くらいのノリなんです。そのように欧州では一気に消耗品交換を無理してやるという発想がそもそもありません。自分たちのペースでメンテナンスしてあげれば、無理なお金は飛んでいかないはずです。日本では2年に一回必ず車検はきますが、本来メンテナンスはどのタイミングでもいいのです。私のアルファ155でも同じ本国式の発想でメンテナンスしているので、車検を迎える時には何もいじるところがないという状態までもっていくことができます。
アルファGTは購入と同時に消耗品を交換すべき
例えばあなたが4万キロのアルファGTを買おうと思ったとき、まず見なくてはいけないのは消耗品がしっかり交換されているか?ということです。故障させない中古車の選び方については『アルファロメオブレラを故障させないための購入術!』にて詳しくお伝えしていますので、一度ご覧いただくことをお勧めします。消耗品が交換されているかを確認しないと、そう遠くないうちにさまざまな故障に悩まされてしまう可能性が高いです。4万キロくらいであれば、すでに多くの消耗品が交換時期となるのです。なのでそれらの部品をいつ交換するのか?という話になります。
もし中古でアルファGT を購入するならば、私なら最初にすべてやってもらうことをお勧めします。理由は購入時に部品交換の見積もりを出してもらうと、こちらが「じゃあ○○と○○をサービスしてくれたら今日契約するよ」とか、強気の交渉ができるからです。さらに最初にやってもらうことによって予期せぬトラブルの発生を防いだり、何か車の調子が悪くなっても新品交換したところ以外が原因だな、とすぐわかるのです。そのような戦略的な購入方法とメンテナンスによって私はあれだけ故障すると言われている古いイタリア車と今も楽しく付き合っています。良いクルマ選びの参考になれば幸いです。