VW(フォルクスワーゲン)のポロの故障の故障を防ぐために知っておくべきこととは?というテーマでお伝えしていきます。ポロに興味のある方は以下の記事も参考になります。
当記事では、
9N型ポロ前期型(2001年~2004年)
出典:File:VM Polo 9N.jpg/commons.wikimedia
9N型ポロ後期型(2005年~2009年)
出典:Rok 2003 i czwarta generacja/http://moto.pl
6R型ポロ(2009年~現行モデル)
出典:2014 Volkswagen Polo Facelift: Exterior Changes/autoevolution
上記のモデル全てに共通する内容をお伝えしていきますので、参考にしてください。もちろん新車で検討されている方、中古車を検討されている方全員のお役に立てる内容となっています。
そしてクルマの知識が乏しい方、特に女性の読者の方へ分かっていただきたいのですが、本記事では必要に応じて専門用語を使う時があります。
なるべくかみ砕いてご説明していきますが、もし分からないことがあれば自分でGoogle検索して意味を調べてみる、もしくは当サイトのお問い合わせフォームよりご質問いただくなどのアクションを起こしてください。そのようにしていただくメリットとして、
- 「外車はすぐ故障する」などの無根拠なデマに流されにくくなる
- 故障しにくいクルマ選びをするチカラが身につく
- クルマ選びの視野が広まり、よりあなたにマッチした車に出会える
などなど、あなたにとって多くのメリットがあります。一方それをやらないことのデメリットは、
- クルマ選びはネット情報の故障するしないの噂で判断してしまう
- クルマの基礎知識がないのででたらめな情報にも振り回されてしまう
- 故障しなさそうな車というのがクルマ選びの基準になってしまい、乗りたい車に一生乗れない
ということが言えると思います。輸入車は日本車と違うから難しそう…と思われるかもしれませんが、実は国産車と仕組みはほぼ同じです。なのでそこまで構える必要はありません。
そしてあなたはこれまでに夢中になってしまったクルマと出会ったことはありますか?最初は私も車に関してはチンプンカンプンで、自分の親が乗っているクルマの名前すら知らないという時がありました。
ですがそこでステキなデザインの輸入車と出会い、夢中になって調べていくうちに自然と知識は身についていきました。自分の好きなもののことならなんでも知りたいと思いませんか?知れば知るほど深みにはまっていく面白さはあると思いますので、ぜひ積極的な姿勢でご覧いただければ幸いです。
少し引っ張ってしまいましたが本題です。フォルクスワーゲンのポロはハッチバックタイプのコンパクトなドイツ車で、世界中で見かけることができるグローバルな車です。その扱いやすさとおしゃれ感で日本では特に女性に人気があります。
日本では実に6割のユーザーが女性ということからも、男性のみならず女性ユーザーからも関心の高さが伺えます。フォルクスワーゲンでは似たようなポジションのゴルフがあると思いますが、ポロはゴルフより一回り小さくて街乗りではさらに扱いやすいです。
気軽にショッピングに行きたい、週末はちょっと足を伸ばして一泊二日の旅行に行きたい、子供ができたのでコンパクトかつ4ドアでボディ剛性の高い輸入車が欲しい。。。ポロはそんな日常シーンで大活躍してくれること間違いなしの車になっています。
コンセプトは一貫して「実用性」で、その車の造りも同様にシンプルでかつ洗練されたものとなっています。なので車としては特別難しい仕組みとなっているわけではなく、「普通の車」に求められるメンテナンスさえしていればまず故障する確率は少ないクルマです。
フォルクスワーゲンのポロのDSGは故障する?
2009年からの6R型ポロでは、トランスミッションにDSGというものが採用されています。DSGというのは、運転方法や見た目は普通のオートマなのですが、かなりかみ砕いて言えば仕組みはマニュアル車というものです。
「マニュアル車」ということを聞いて苦手意識を持つ方もいますが、DSGはオートマ限定の免許でも運転することができます。実はフォルクスワーゲンのDSGというものは、2013年の世界的リコールをきっかけに日本でも「故障する」という噂が立ちました。
ポロはその問題となったDSGを搭載しているので、リコール修理が済んでいない中古車などでは最悪の場合は修理で60万円コース、などの恐ろしい金額となるケースが報告されています。ポロだけでなく、中古車を購入する場合はその車の「整理履歴」が確認できるか?ということが非常に大切となります。
整備履歴がまともに残っていない中古車は正直言うと論外で、例えば5年落ちのポロを買おうとしたときにメンテナンスされた記録が残っていなかったら「じゃあその5年間はどこの誰に、どんなメンテナンスをされてきたのか?」ということがはっきりしません。
中古車屋さんに並んでいる個体は「整備されていて当然」と思っている方もいますがそれは間違いですし、「納車整備」というのも素人が日曜大工でできるような簡単なメンテナンスのみの場合が大半です。もしろくに整備されていない個体を買ってしまったら、そのうち故障という形でぼろが出るに決まっています。
ですが事前に整備履歴が残っているのか?という視点で中古車を探していくと、購入後の故障リスクはグンと下がりますよね。6Rポロの場合は過去にいくつかリコールが出ていますので、中古車で検討する場合はリコール対策された個体であるのかを確認したほうがいいですね。
リコール情報はフォルクスワーゲンであれば「フォルクスワーゲンジャパン」のホームページで確認できますし、よくわからない場合でも販売店に確認をとってもらうようにしましょう。2016年以降のリコール改良が勧められたポロでは、DSGも故障するという報告が極端に減ってきました。
なので現行モデルでは保障が付帯していることもあって、故障を恐れて購入を踏みとどまるという必要もないと思います。詳しいフォルクスワーゲン車のDSGについては以下よりご覧ください。
輸入車が故障すると言われる原因とは?
輸入車が故障すると言われる原因を私なりに考えてみました。
- 輸入車によっては車検のない国から来たため
- 日本より自動車の安全基準が高い
大雑把ですがこんな感じです。フォルクスワーゲンのポロが生まれたようなヨーロッパではそもそも車検がない地域というのが珍しくありません。
でも日本の車検のように工場に入れて点検するタイミングがないと、ユーザーはめったにメンテナンスしないし点検もしない、なので工場に入れず、整備不良車が町に溢れてしまいます。
そうならないように定期的に工場に入れさせるために、消耗品の交換時期が来たら「そろそろメンテナンスしろ」「早くパーツを交換しろ」という警告がシビアに出るような仕組みになっています。つまり輸入車にとってメンテナンスとは、車検の時期だからというのが関係ありません。
なぜそこまでシビアにしているかというと、整備不良車が公道を走行するのは本来非常に危険だからです。一部のメーカーではヘッドライトの電球のところにもセンサーが仕込んであって、玉切れを起こしたら警告灯が点くという事もあります。
といった具合に、これまでただの故障だと思っていたことが、実は非常に合理的な理由であったことが分かります。なのでもしポロを購入したらメンテナンスをサボるたびに警告灯が点灯して「はやくメンテナンスしろ」という風に催促してくる可能性があります。
そこが国産車と同じようにはいかない点です。せっかく「そろそろメンテナンス時期です」とお知らせしてくれているのに、日本では「故障だ!!!」と大騒ぎされてしまうのが、「故障が多い」と言われる実態です。
メンテナンスさえしっかりしていればそんな風に車から怒られることは稀ですが、国産車の感覚をズルズル引きずっているとびっくりするシーンに出くわすかもしれません。
国産車でも警告灯機能はついていますが、「どうせ2年に1回は車検で工場に入れるから」という考えなのでめったなことがない限りは警告しないようなセッティングとなっています。
例えエンジンオイルが残り3分の1になってもです。実はこれは非常に危険なことです。ですがそれがあだとなって警告が遅れてエンジンごと故障させてしまうというパターンは僕が知っている実例でも2、3件あります。
他にもエンジンから変な音を出しながら走っている国産車はけっこう見かけますが、パーツはとっくに交換時期なのに車が警告しないので本人が気づいていないだけなのです。クルマがいつまでたっても警告しないので、本人がクルマの調子の悪さに気づいていないのです。
なので「国産車はメンテナンスフリー」「国産車は故障しない」という話になるという事です。どちらにしても2年に1回の車検で一度にドカンとメンテナンスの請求が来るわけですが。それで当の本人はクルマのどこが治ったのかすら気づかず料金だけ払っておしまい。。。というパターンが延々と繰り返されるというわけです。
フォルクスワーゲンのポロを故障させない方法はあるのか?
そもそもクルマというのは消耗品のカタマリですよね。例えば走行距離を重ねていくとタイヤも交換しなくてはならなくなります。3年3万キロに1回くらいはバッテリーも交換しておかないと、いつか「バッテリー上がり」で立ち往生してしまうこともあります。
実はポロのみならず輸入車でも国産車でもこの原則に従ってメンテナンスすれば本来故障なんてしないのです。
そしてクルマが走ると摩耗する消耗品というのは国産車も輸入車もだいたい一緒です。なぜそのような言えるかというと、クルマというのは国は違えど仕組みの原則は一緒だからです。
そしてその消耗品というものを定期的に入れかえてあげないと、どんな車でも燃費が悪くなったり、乗心地が悪くなってきたり、エンジンから変な音がなってしまったり、そしてそれがやがて大きな故障へと発展するのです。
そうならないように早め早めにお知らせしてくれる機能を持っているのが輸入車の特徴です。どんなパーツを交換していったらいいのか、またそれはいつ交換すればいいのか?ということは、本来は車屋さんが事前にお知らせするべきなのですが、なかなかそこまで親切な販売店はいませんね。
具体的に言うと車はエンジンオイルというものを走行距離ごとに交換しますよね。それはメーカーや製造された年代によってまちまちですが、一般的には近年のクルマほどまめに交換しなくてもよいと言われています。
つい10年前までの車では5千キロに1回は交換しましょうなどと言われていましたが、最近では1万~3万キロくらいでいい、というメーカーまで現れ始めました。
個人的にはどんなにメーカーが「そんなに交換しなくていいよ」といっても5千キロに1回は交換しないと気が済まないですね。そしてセットでオイルフィルターも必ず交換します。私は1度手に入れたクルマはできるだけ長く大切に乗りたいと思っていますし、何より車はエンジンオイルの管理が生命線だからです。
どんなに高性能で高価なエンジンオイルであっても、一定の走行距離を走れば必ず汚くなります。そして3年おきにバッテリー交換をしてワイパーブレードやタイヤも新品にして。。。というところなら車に詳しくない人でも知っているかもしれません。
しかしクルマというのはだいたい5万キロを走破し始めたころから以下のようなパーツが寿命となってきます。
- イグニッションコイルorイグニッションモジュール(要確認)
- スパークプラグ
- プラグコード(イグニッションモジュールの場合は不要)
- フロントブレーキパッド(摩耗具合を見て)
- フロントブレーキパッドセンサー(ブレーキパッドと同時交換推奨)
- フロントブレーキディスク(摩耗具合を見て)
- ブローバイホース
- ヘッドカバーガスケット
- フューエルフィルター
- エアフィルター
- フロントアッパーマウント
- フロントショックアブソーバー
5万キロ毎の同時交換推奨パーツ(工賃が節約できるため)
- タイミングベルトキット(6Rポロは不要)
- ウォーターポンプ(6Rポロは8万キロ目途)
- サーモスタット(6Rポロは8万キロ目途)
- カムシャフトセンサー(6Rポロは8万キロ目途)
- クランクシャフトセンサー(6Rポロは8万キロ目途)
用語の意味はとりあえず置いておいて、なんだか聞いたこともないような専門用語の羅列のようですが、まずはクルマというのは「5万キロを超えたあたりでこんなパーツが交換時期になるのか」ということを頭に入れてください。
いきなりは覚えられないと思うので、スクリーンショットで保管しておくか、プリントアウトして車検証ケースに保存しておくなどした方がいいでしょう。そして国産車であればこれらのパーツ交換を多少サボっても「走ればいい」で出来ているので許されてしまいます。
その代わりに燃費は悪くなり、どことなくエンジンも元気がなくなり、乗心地は悪化してきて安定性も低下していきます。それでも一応走るので、国産車は故障しないと思いこまれています。
もともと消耗品は交換ありきで作られていますので、交換する前に動かなくなってもそれは故障とは言わないはずです。バッテリー上がりで「故障だ」と言わないのと同じですね。
国産車といえども「でも走るから」というだけで無理に走らせていると、そのうちエンジンから変な音がするようになってきて、急に高速道路のようなエンジンに負荷のかかる運転をしたとたんに突然ご臨終。。。なんていうことも現実にあります。そして7万~8万キロ走行ごとに以下のパーツが交換時期になります。
- カムシャフトセンサー
- クランクシャフトセンサー
- エアフロメーター
- フューエルポンプ
- O2センサー
- アイドル制御バルブ
そして10万キロ走行ごとに、
- スタビライザー等ブッシュ類一式交換
- 5万キロ毎の消耗品交換
といったパーツの交換があります。そして6R型のポロであればDSGを搭載しています。なのでDSG特有のメンテナンスについて考える必要がありますので、以下よりご確認下さい。
また、9N型のポロであれば通常のトルコン式オートマを搭載していますので、5万キロ毎にATF+ATフィルターの交換を定期的に行ってください。正規ディーラーで問い合わせるより、「フォルクスワーゲン ATF交換」でGoogle検索してみて、実績があって対応してくれそうな整備工場を見つけてみることがコツです。
正規ディーラーは基本的にメーカーの言いなりで、メーカーが「こうです」と決めたこと以外はやってくれません。そしてフォルクスワーゲンのポロを故障させずに乗るためには、これまでご説明してきた内容のメンテナンスを真面目に行う、ただそれだけです。
また、上記のメンテナンスは国産車だろうがドイツ車だろうがイタリア車だろうが同様に必要とされるものです。新車から5年目、7年目、9年目で急に車検が高くなる理由は、これらの消耗品をサービスマンがろくに説明もせずに一気に交換しているからです。
おそらく「どうせ素人だから説明したって分からないだろう」と思われて、内訳も知らずに来てしまった人が大半だと思います。そんな風に思われるのって悔しくないでしょうか?素人には素人なりの戦い方があります。だから今度はこっちが知識をつけて見返してやる番ですよね。
フォルクスワーゲンのポロを中古車で購入する場合は?
ここまでお読みいただいた方であれば、輸入車が故障すると言われるのは理由があって、国産車はメンテナンスフリーであるというのは間違い、ということまでご理解いただけたと思います。国産車に乗ろうが輸入車に乗ろうが、メンテナンスの原則は変わりないのです。
そしてこのようなメンテナンスの原則を知らず中古車を購入すると、十中八九「故障だ!!!」と大騒ぎする羽目になります。中古車を買う時は、クルマ本体の価格とは別に、必要に応じた「パーツ交換代の初期投資」も見ておくべきです。
中古車を買うと同時に適切なパーツを新品に入れかえることによって、トラブルが発生する確率を大幅に削減していくという考え方です。勘のいい方であれば、「5キロ走行している中古車は、5万キロ目途の消耗品を交換しないとトラブる」という点に気づいたかもしれません。
中古車選びではクルマの内装やボディの傷の具合などを基準にしたくなる気持ちは分かりますが、見た目で一番大切なのは「エンジンルームが確認できるか」「エンジンルームはきれいか」という点です。
ボディなどの見た目はいくらでも綺麗にできますが、がさつなメンテナンスを受けてきた中古車のエンジンはごまかしようがありません。そして私なら以下の状態のお店、もしくは中古車にはまず手を出しません。
- 走行距離が5万キロを超えている
- 販売店保証が全くついていない
- 写真でエンジンルームを掲載していない
- 定期点検記録簿がなく、ワンオーナー車でない
- 自社整備工場がない
- 修復歴アリ
- エンジンルームを見せてくれない
- なんだかんだと理由をつけて試乗をさせてくれない
などです。上記の項目が当てはまる項目が多い中古車であればあるほど、購入後の故障トラブルのリスクは跳ね上がります。逆に上記の点がクリアな中古車であれば、万が一何かあっても「はずれをひいた」なんてことにはなりにくいのです。
よく輸入車は当たり外れがあると言いますが、それは国産車も同じです。国産車の場合、そもそもはずれ率が高く、しかもはずれを引かされてしまった場合が悲惨です。
好きで乗っている人ばかりではないのでろくにエンジンオイルも交換しない、車検は激安で通してきてずさんな管理をされた挙句、クルマのあちこちにガタが来て「車が古くなってきたから買い替えよねえ」なんて事情で売却してそれが流れてきているというパターンが少なくありません。
上記の内容の他、当サイトでは「好きな車に乗る方法」のコツをお伝えしております。こちらの記事ではお伝えしきれないない大切なこともありますので、その他のメーカーの記事も是非ご覧ください。