メルセデスベンツ

ベンツW212は故障する?前期型はトラブルが多いのか

 

ベンツW212は故障する?前期型はトラブルが多いのか

 

筆者の木本(きもと)です。今回はベンツW212は故障する?前期型はトラブルが多いのかというテーマでお伝えしていきます。W212はメルセデスベンツEクラスの4代目のことで、日本では2009年に前期型がデビューしました。旧モデルのW211と比較すると4灯式ヘッドライトを受け継ぎ、全体的にアグレッシブでシャープな感じにモデルチェンジしています。エレガントな雰囲気のデザインをベースにスポーティさが上手く混ざり合ったバランスに非常に優れた秀逸なベンツだと思っています。

 

出典:Расходы точно будут: выбираем Mercedes-Benz E-Class W212 с пробегом/www.kolesa.ru

 

メルセデスベンツEクラスの車格はEセグメント(エグゼクティブクラス)の為、新車では1000万円近くまでになります。多くのサラリーマン収入では引いてしまう金額ですが、W212の中古車相場を見てみると割と手ごろであることに気づきます。「これくらいの金額であればプリウスとか買うよりよほど良い」と感じる人も少なくなく、そうした背景から近年手の届かなかったW212に興味を持つ人が少しずつ増えてきています。

 

そんな中で一番気になるのが「ベンツって故障するの?」「ベンツって維持費が高いの?」という点だと思います。すでにネットや口コミ等調べまわっている人もいると思いますが、とにかくベンツは故障が多くて維持費がバカにならないという噂を多く耳にすると思います。W212は前期が初期トラブルが多いとか、後期なら安全だ、とか。そんなネガティブな声を聞いていると本当のことが分からなくなり、買う気も失せてしまうことと思います。友人や家族、会社の同僚などに聞いてみてもほぼ100%同じ答えが返ってきますし、外車でしかもベンツというとハードルの高さを感じることと思います。

 

 

ベンツW212前期型は故障が多い?

 

しかし私個人の見方としては前期も後期も関係ないのです。それよりももっと大切な見方がありませんか。要するに何と比較して故障するとか維持費が高いのか?という視点です。私からすればベンツの維持費って「プリウスとかカローラとかよりは高いんじゃないですか」という感じです。さらにW212限定で言えば「クラウンとかマークXとかと同じくらいの車格なので維持費はそれくらいのベースで見ておけばいいんじゃないですか」とお答えします。W212の故障とかウィークポイントというのもだいたい傾向があり、V6エンジンの「オイルクーラーパッキン」からのエンジンオイル漏れが比較的多いということくらいでしょうか。

 

買った後に出たら厄介ですが、買う前に分かってれば対策のしようがあります。なので買う前によくよく漏れがないか確認してもらう、漏れがあったら「サービスで直してもらえるなら買います」くらいに条件交渉すればよいのではないでしょうか。それが面倒ならば、メンテナンスが簡単な2リッターエンジン以下の直4モデルのW212を選べばいいのです。あとは欧州車の常識に乗っ取ってメンテナンスを怠らなければ普通に走ってしまうポテンシャルを秘めていると思います。

 

ハッキリ言って、今時外車は故障するとかっていう常識はもう古いのでこの際捨ててしまった方がいいと思います。あなたが思っている以上に国産車と輸入車の品質の差は縮まってきており、国産車を選ぶメリットが少なくなってきています。それに今こうして当サイトの記事を読んでいただいていることを含め、今は一般人がインターネットを駆使してありとあらゆる情報を入手できることが可能な時代です。

 

今回W212のウィークポイントだって買う前から把握できたはずです。極論、直4のエンジンさえ選んでしまえばクラウンを維持する感覚ベースですよ、というお話もさせていただきました。逆を言えば、クラウンを維持できるか?となったときに維持できる自信がなければ手を引くべきということも事前に判断できます。これまでの話をまとめると、外車は乗ってみないと分からない得体の知れないモノだというのは今から20年以上も昔の常識であるということです。入念に下調べをして自分でいけそうだと思えば、もしくはキツそうだと分かっていても「国産車に乗りたい車がない」「一度はベンツに乗ってみたい」という想いがあれば、周囲の時代遅れの意見なんて気にする必要ないと思いませんか。

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ベンツw212は年数が経つと維持費が高くつくのか?

 

よくベンツは古くなるほど維持費が高くつくという話を聞きます。まるで都市伝説のようですが、これは正解です。しかしその辺りは国産車のトヨタとか日産と事情は何ら変わりません。ベンツも国産車も同じ消耗品の塊なので、距離を走れば同じようなパーツが同じような走行距離で摩耗していきます。なのでベンツだけが高いというのはちょっとズレています。

 

当項目では維持費を左右する「消耗品」についてもう少し具体的にお話していきたいと思います。聞きなれない単語もあるかとは思いますが、まずは「こんな単語もあるんだな」くらいで読み飛ばしてもらっても大丈夫です。結論から申し上げますと、ベンツと国産車で要求される消耗品は実はほとんど一緒なのです。それで消耗品っていつ交換したらいいのか?という目安は年数よりも「走った距離」で見ます。以下、簡単にリスト化しましたので一度ご覧ください。

 

走行5万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • ブレーキパッド+センサー(摩耗の具合に応じて)
  • フューエルフィルター
  • エアフィルター
  • イグニッションコイル+スパークプラグ
  • ブローバイホース
  • ATF+フィルター
  • バッテリー+サブバッテリー交換

 

走行8万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • カムシャフトセンサー
  • クランクシャフトセンサー
  • ウォーターポンプ
  • サーモスタット
  • エアフロメーター
  • フューエルポンプ
  • O2センサー
  • ショックアブソーバー+アッパーマウント
  • スタビライザーリンク
  • アイドル制御バルブ

 

走行10万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • ブレーキディスク4輪
  • Vベルト+テンショナー
  • エンジンマウントブッシュ
  • カムシャフトカバーガスケット
  • スタビライザー等ブッシュ類一式交換
  • 5万キロ毎の消耗品交換

 

ずらっと並べて見ましたが、見慣れない単語の数々だと思います。素人の私には関係がない、国産車に乗ってる私には必要のない知識だ、と安心したいところですが、実はこれベンツも国産車もだいたい同じパーツが使われています。ということはいつかは自分の車も交換に迫られる時期がくる、もしくはとっくに交換時期だけど車が何にも言わないから放置しているかのどちらかでしょう。

 

分かりやすく言えばエアコンのフィルターがありますよね。フィルターって定期的にお手入れしないと目詰まりを起こして調子が悪くなったり故障の原因になったりしますよね。エアコンの場合は汚れがたまるとお知らせしてくれるものが多いと思いますが、不思議なことに国産車は何も知らせてくれません。知らせてくれないので、ドライバーはメンテナンスが必要だということが分からないのです。ヒトの体でいうところの「怪我しているのに痛みを感じない」という実状に近いです。

 

それでもクルマにはフィルターがいくつか使用されていますが、あなたの車のフィルターはいつ交換しましたか?そのまま放置でも大丈夫ですか?国産車ってそれでも走りますが、新車時の性能とか乗心地とか燃費って確実に失われていますよね。そういう多くの妥協を持って「維持費がかからない」とか「メンテナンスフリー」というのならそれでいいと思います。

 

ベンツはその逆で、車が必要だと判断したメンテナンスは警告灯という形でお節介なくらいドライバーに知らせてきます。例えばヘッドライトの片目が切れただけでも「早く工場に入れろ」と催促されるかもしれません。国産車のドライバーはブレーキランプも切れていることすら気づかず走っている車もありますので、真逆ですよね。それにオイル交換はきちっとやる必要がありますし、あなたがこれまでやってこなかったようなメンテナンスまでもやることになると思います。

 

そういう意味では、ベンツは年数や距離のわりにまめに手を入れるのでお金がかかると言えます。それならば国産車の方がいいとなるように思えますが、その恩恵として新車時の性能とか燃費の良さを10万キロ、20万キロまで保つことができ、エンジンや足回りに余計な負荷がかからない分車体を長持ちさせることができます。5年おきにクルマは買い替えるから、という人には関係のないように思えてしまいますが、一台を長く乗った方が間違いなく家計に優しいですよね。

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ベンツW212は故障したら修理費が高いのか?

 

ベンツW212に限らず、外車やベンツなどは世間から「修理費やパーツ代が高い」と言われています。実際にベンツや外車を維持したことがある人なら分かるかもしれませんが、ひとたび修理となれば法外な見積もりを出されるケースが少なくありません。それが輸入車を買う上でかなりのハードルとなり、購入まで踏み切れないという人が多いです。故障したわけではないですが、私もドイツ車のオペルというメーカーの車を維持していますが、これまでにとてつもない見積もりをもらったことが実際にありました。それもそのはず、本国では4、5万円で売られているパーツが日本のディーラーを通すと一気に20万円とかになってしまうのですからありえない世界です。

 

その金額を前にして「そのまま修理するか、買い替えるか」の二択に迫られてしまいがちですが、全く打つ手がないわけではありません。それは「ディーラー丸投げをやめる」ことです。例えば、ある部分が故障したとします。ディーラーに持ち込んで修理の見積もりをもらったとします。その内容って、本当に自分でやれないことでしょうか?車のメンテナンスって、自動車整備士さんしか分からない専門的な世界だと思われていますが、実際本当にそうでしょうか?レンチとかソケットさえあれば何とかなる場合が多くないでしょうか。

 

そうでなかったら、ネット検索で素人によるメンテナンスの実践動画などが続々ヒットするはずがないと思わないでしょうか。同じ方法でやれば、自分でもできるということの証拠ではないでしょうか。どうしても自分でできなそうであれば整備士さんに頼むというスタンスであればかなりの節約になるのではないでしょうか。私も先日、自分の車のフロントバンパーを外す必要性に迫られ、億劫ながら実践してみましたが、ネジが7、8本で固定されているだけでした。これを人に頼んで工賃1万円とか2万円とかって、馬鹿馬鹿しくならないでしょうか…?

 

また、ベンツのパーツはディーラーでしか入手できないのでしょうか?例えば楽天でメルセデスベンツのパーツを検索すると履いて捨てるほどヒットすることに気づくはずです。純正品はもちろんのこと、純正と同等のクオリティを持った優良社外品も数多く出品されています。しかもディーラーより半額以下の金額で同じ商品が手にはいることもあります。パーツを安く仕入れたら、あとは自分でネット検索しながら取り付けるか人に頼むかすると思いますが、メンテナンスってディーラー以外でもできないでしょうか?例えば私は欧州車に強い近場のボッシュカーサービスの工場をいつも利用しています。

 

ボッシュカーサービスの強みとして、欧州車全般に強いという点があります。ベンツのディーラーはベンツ以外触りたがらないですが、ボッシュさんはベンツもポルシェもフェラーリも得意というところが多いです。さらにディーラーで法外な見積もりをもらったとしてもボッシュさんに相談すれば何とか安価な方法で済む解決策を提示してくれることもあります。その点新品交換しか対応できないディーラーよりよほど柔軟性に富んだサービスを受けることができます。パーツ持ち込み交換も快く引き受けてくれるという点もディーラーと異なる点です。

 

ベンツの維持費を安くするための単純明快な答え

 

ディーラーって、高額な修理になるほど「これで治る保証はできませんが…」のような不安な対応をしてくるケースが多いです。そういったときにボッシュさんなどにセカンドオピニオンとして利用するという方法もあります。以上のことからも、ディーラーに丸投げするということについては私たち消費者にとってはメリットがほぼありません。あるとすれば「考えなくても済む」ということくらいでしょうか。多くの日本人は知らず知らずのうちにクルマのメンテナンスといえばディーラーにやってもらうものと刷り込まれていますが、海外では「できるところは自分でやる」スタンスが基本の国や地域の方が多いです。頭一つ回すだけで、払わなくてもよいお金があります。

 

ベンツのw212にはベンツ専用の故障診断機でないと太刀打ちできない箇所もあったり、コーディングと呼ばれる作業が必要な場合があるなど例外もあります。ですが新しい家電を買ったときにまず説明書を読んで使い方を確認するというように、まずはボンネットを開けてみて説明書を読みながら点検してみるということはできると思います。最初は誰だって分かりませんが、そうやってできることを一つ一つ積み重ねていくとだんだんメルセデスベンツという車について詳しくなっていきます。男性ならば、週末にボンネットを開けてベンツを点検している姿を見て、それを「頼もしい」と思わない女性がいるでしょうか。

 

そうやってクルマと密に接していくとやがて本当の意味で愛車が可愛く見えてきて、それが「愛着」に変わっていったりします。自分で点検メンテナンスする分には工賃ゼロなので、それに伴って自然と維持費も安く抑えられる…というプラスのスパイラルを実現するカーライフの方が、何だか楽しく思えないでしょうか?ベンツと聞くとハードルが高い気がしてきますが、それは来るかも分からない故障におびえ最初から何も考えずにディーラー丸投げにした場合、という事にならないでしょうか。

 

今は自分一人だけでなくネットで同じ車のオーナーさん達と情報を共有しあい、助け合っていくこともできる時代ですので、肩肘張らずにまずは試乗だけでも足を伸ばしてみるのもありです。心から納得のいく車選びができることを祈っています。

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