出典:2018 Mercedes-Benz GLA/www.caricos.com
ベンツのGLAの故障について解説していきたいと思います。めずらしいかもしれませんが、私は大学生のころからちょっと古い中古ドイツ車にのってきました。多くの大人たちからみれば「学生のブンザイで!」「どうせ金持ちだったんだろ」と思われるでしょうね。
しかし実際の私はアルバイトをかけ持ちして日々のガソリン代や税金保険料まですべて自分でなんとかしていました。そんな状態だったのでお金なんて余裕のあるはずもなく、クルマの維持についてなんとか考える日々が続いていました。
いまとなっては輸入車にのることを躊躇する大人たちにたいしてエラそうなアドバイス(?)をさせて頂けるような立場になってきています。私も知識経験ともにまだまだ未熟な点が多くて日々勉強ですので、当記事を読んでもらって私と一緒に少しでも輸入車について学んでもらえたらと思っています。
今回はベンツのGLAについて解説していきたいと思っていますが、GLAと言えば2013年に発売されてからすでに5年は経過しているんですね。当時はマリオのCMがかなり衝撃的だったことを覚えていますが、メルセデスベンツとしてはGLAはいつでもどこへでもいける新しいSUVですよ、ということをアピールしたかったようです。
ベンツのGLA限定で、というよりメルセデスベンツ自体の故障について不安な人も多いと思います。私も大学生のころ初めてのった中古のドイツ車に乗ったときは不安がなかったわけではありません。実際納車されてからは興奮と感動の毎日でしたので、実際そこまで不安に悩まされていたわけではありませんが…。
とにかくベンツのGLAについて、私と一緒に見ていきましょう。
ベンツGLAはこんなタイプの人におすすめ
とにかくこれまで国産車しかのったことがなくて、でも次に乗りたい国産車があまりない、もしくは全く魅力的なクルマがない。ベンツにあこがれは持っていたけど故障のイメージからなかなか購入まで踏みだせなかった人たちなど、GLAは割と幅広い層におすすめできると思っています。
故障するかしないかでいったら、機械なので私が保証できる話ではないですがそれでもGLAに乗り始めれば「最近のベンツは全然故障しなくなった!」「普通に通勤としても普段使いできるレベル!」という良い意味の期待を裏切られると思います。そのくらいメルセデスベンツの品質は上がってきています。
ただこんな方にはおすすめできないです。たとえば国産車の視点でしか見られない人。GLAはあくまでメイドインジャーマニーなので、長く乗っていればドイツ車らしい特性や文化の違いを肌で感じられるようになります。
その文化の違いにたいして「国産車ならこうだったのに!」「この○○機能は全くドライバーのことを考えてないな!」とイライラしてしまう人は、最初からプリウスにのった方がしあわせになれます。初メルセデスベンツにチャレンジするのであれば、ドイツ旅行をしている気分を味わうくらいの心のゆとりが欲しいところです。
ベンツGLAは新車で買わないと故障するのか?
だいぶ少なくはなってきましたが、それでもまだまだ「ベンツは新車で買った方がいいぞ」という人が一定数いるようです。私の考えとしてはGLAの中古車はどんなに古くても5年ほどなので、仮に買ったとしても大きな失敗をするリスクは少ないと思います。
それにどんな新車だって故障する可能性がありまして、それはいわゆる初期トラブルというものです。初期トラブルの原因としては工場で製造段階で何らかの不手際があったか、パーツ類の組付けの微妙なズレなどによっても起こります。
その他にもコンピュータ関係の不具合であったりトランスミッションそのものに不具合が生じたりします。これらのトラブルの特徴としては新車購入後、乗り始めてすぐ出るパターンが多いです。あるいは乗り始めて3年程度たってから出ることもありますので一概には言えないです。
ある程度距離を走らないと発現しないトラブルもあるので、たとえ3年たったからといって何もなかったからあとは大丈夫、ということでもないです。特にふだんからあまりクルマを走らせない人は保証期間が切れた後にトラブルが出てくる可能性もあるのです。
メルセデスベンツの初期トラブルそのものもかなり減ってきているとはいえゼロではないということを買う前から知っておきたいところですね。もちろん製造工程の原因によるトラブルは天下のトヨタですらあり得ますので、なにも輸入車だから特別に品質が悪い、ということでもないと思っています。
ベンツGLAを買うなら認定中古車が安心なのか?
ディーラーに置いてある中古車ってなんとなくクオリティが高そうで安心感がありますよね。私もその気持ちはよく分かります。私は新卒で某輸入車ディーラーに入社した経験があります。あくまでその中での話になりますが、私が客ならば「ん?」という実状もちらほらありました。
故障については高年式なクルマがほとんどだと思うので特に気にするレベルではないと思いますが、気になったのは在庫車両の扱われ方です。結局のところお客様の見えないところではけっこうクルマを雑に扱っていたりするという事です。
特に商品についてこだわりがない、売り上げさえ上がればそれでよいという雰囲気のお店はヤバいですね。大きいディーラーだと大量の在庫車を抱えていたりすると思いますが、一台一台丁寧にお手入れしている余裕なんてないと思いませんか?
一台一台ていねいに洗車したりワックスがけしたりということができないので、汚れたウェスを使いまわしたり砂利がついたタオルでボディをごしごししたりというのは日常かと思います。なのでパッと見はきれいな中古車でもよくみると線キズが多かったり、ということもあり得ます。
それではどんなお店で中古車を買えばいいのか?ということになりますがそれは「在庫車の屋内展示スペースのあるお店」もしくは「クルマを愛していそうなお店」から買うということです。そのような雰囲気を感じ取れるようなお店であればディーラーでも個人店でもいいと思っています。
中古車の中には長期間展示されているものもありまして、動かされていないクルマはなにかと不都合が出てくる可能性があります。中古車を買う時は「このクルマはいつからここに置いてあるのか」ということも聞いてみた方がいいですね。
ベンツGLAは長く乗れずにすぐ故障するのか?
あなたもベンツは長く乗れない、すぐ故障するという話を聞いたことがあるかもしれません。GLAに関しては中古車でもまだ5年程度しか経過していないということ、GLAを乗るユーザー層はクルマを雑に扱う人が少ないということから中古車を選んだとしても故障で悩まされるという可能性は低いと考えます。
しかしGLAを5年、6年と乗りっぱなしのまま何のメンテナンスもせずにいるとトラブルに泣かせられる可能性はゼロではないです。というのもクルマというのは基本的に人による適切なメンテナンスありきで調子を保つことができるマシンです。
調子を保つためにはメンテナンスが不可欠、ということは何もしなければ将来的に何かしらの不具合を起こす可能性もあるということです。何もせずに乗りっぱなしにして、聞いたこともないような警告灯だったり音が出て「故障だ!」と騒ぎになってもそれは行うべきメンテナンスを怠ったオーナーとしての責任もあるのです。
つまりクルマのオーナーは本来、ある程度のメンテナンスの知識を持っていた方がよいということなのです。メンテナンスはディーラーに全て任せていればだいたいの部分はカバーしてくれますが、私の視点から見ると完全ではないところもあります。というのもディーラー自身も不具合に関しては出たとこ勝負の場合が大半だからですね。
ディーラーの点検やメンテナンスも真面目にやってくれる工場ばかりではないので、自分のクルマのコンディションやメンテナンス状態についてはある程度日ごろから把握しておくことをおすすめしたいですね。
ベンツGLAに乗ることで待ち受けるメンテナンスとは?
前項では「クルマのオーナーならばある程度メンテナンスは理解しておいた方がいいよ」」という話をさせていただきました。クルマのメンテナンスなんて生まれてこの方まったく無縁という人も少なくないと思いますし、専門的で難しいイメージがあります。私もはじめてのドイツ車を中古で買ったときはまったくの無知でした。
そんな私でもまずは説明書から読むことをはじめ、オイル量や冷却水の確認などからはじめてみました。そのためにボンネットを開けて、目で確かめたりしてみました。洗車してボディをピカピカに磨くのも最高ですが、たまにエンジンルームのほこりをふいたりしてあげるとさらに愛着が湧いたものでした。
そして自分の車を知れば知るほど故障の不安から少しずつ解放されていきました。目で見て異常がないということがある程度分かるようになってきたからですね。説明書に書いていないことはなんでもネットで調べていました。もっとも、GLAに関してはトラブルと格闘が必要になるほどの故障が起こる確率は低いのですが。
それでもこの世にメンテナンスフリーの車というのは存在していないので、具体的にどんなメンテナンスが必要になってくるのかを見てみましょう。クルマの場合、メンテナンスの時期の目安は年数よりも走行距離を見た方がトリップメーターでチェックできるので分かりやすいですね。
あくまで目安となりますが以下のようにメンテナンスしていったらだいたい網羅できていると思います。
走行5万キロ前後ごとに行うメンテナンス
- ブレーキパッド+センサー(摩耗の具合に応じて)
- フューエルフィルター
- エアフィルター
- イグニッションコイル+スパークプラグ
- ブローバイホース
- ATF+フィルター
- バッテリー+サブバッテリー交換
走行8万キロ前後ごとに行うメンテナンス
- カムシャフトセンサー
- クランクシャフトセンサー
- ウォーターポンプ
- サーモスタット
- エアフロメーター
- フューエルポンプ
- O2センサー
- ショックアブソーバー+アッパーマウント
- スタビライザーリンク
- アイドル制御バルブ
走行10万キロ前後ごとに行うメンテナンス
- ブレーキディスク4輪
- Vベルト+テンショナー
- エンジンマウントブッシュ
- カムシャフトカバーガスケット
- スタビライザー等ブッシュ類一式交換
- 5万キロ毎の消耗品交換
ずらっとならべてみましたが、あなたはいくつくらいご存知でしたか?上記パーツの中には実際に設定がないものや名称が少し変わるものもありますが、クルマのパーツはみんなどれもだいたい同じです。そして輸入車に乗っていて「故障した」「警告灯が点いた」「燃費が悪い」という時は上記リストのパーツをまず疑います。
これまで国産車ばかり乗っていてなおかつ5~7年サイクルで新車に乗り換えている、もしくは点検や車検でお金は払ってきたけど内容についてはほとんど確認してこなかったという人はクルマの「消耗品交換」の感覚が乏しいのでなかなか分かりにくいかもしれませんね。
ですが輸入車にのるならば上記の消耗品リストは一般的な知識として知っておいてもらいたいと思っています。そして事実として、上記パーツ交換を人に任せれば任せるほどに金がかかる、と考えてください。逆を言えば、自分でできる範囲を増やせば増やすほど金がかからないということになります。
新車保証が残っている間は保証の関係があるので下手に自分でやるのはおすすめできませんが、保証が切れたあとは事実上サバイバルなわけなので、逆を言えばどんな手を使ってでも安く抑えるという道も選べます。今はYouTubeやネットでセルフメンテナンスの方法を誰でも見ることができるので、素人でもプラモデルを組み立てる頭があればできてしまう場合も増えています。
さらに輸入車の特権としてパーツはOEMという安価な社外品を導入するという方法もあります。クルマのパーツってディーラーでしか手に入らないという常識はすでに時代遅れでして、今は楽天やAmazonで選び放題の世界になっています。しかもディーラーより安いものも豊富にあるので、使わない手はないと思います。
結局のところベンツは5年サイクルで乗り換えた方が得なのか?
ここまでご覧いただいた中で感想は様々あるかと思いますが、これまでクルマのボンネットすら開けたことがないという方も多いと思いますし、さらには面倒だと感じて国産車でいいやとなってしまう人もいるかと思います。
パーツのリストを見ていただくと分かると思いますが、消耗品が集中するのって5万キロ前後からが多いんですよね。ということは5年サイクルで乗り換えればメンテナンスしなくてもいいと考える人も出てくるかもしれません。
保証期間も新車ならば最長で5年間なので、買い替えるには最適のサイクルに見えます。私としてはそのサイクルでも自分が納得できれば、選択肢のひとつとしていいんじゃないかと思います。定期的に新しいクルマに乗れるのも気持ちがイイですよね。
ですがメンテナンスが面倒で金がかかるから新車にバンバン乗り換えるということならばちょっとどうかな?という感じがします。だって新車に乗り換えるよりメンテナンスにお金をかけた方が圧倒的に安いですし環境にも優しいですよね?
さらにメルセデスベンツは古いものでもきちんと手を入れてあげれば30万キロは余裕で乗れるポテンシャルを秘めています。事実本国ヨーロッパでは古いベンツ、ガンガン現役で走ってますよね??それがGLAほどになれば50万キロはいけると思いますよ。ベンツは長く乗れないなんてガセなので無視です。
そんな可能性を秘めた車を古くなったから、ですぐ乗り換えてしまうのは私からすればちょっともったいないと思うわけです。それに5年、10年とメンテナンスしながら乗っていくと愛着の湧き方が凄いですよね。家族の思い出とともに歳を重ねていけるということです。そんな自動車ライフ素敵じゃないでしょうか?
そういった人たちが増えてくれると、やがて「車に乗るって、ステキだね」という人たちが増えてきて日本のクルマ文化は成熟してくるのだと思います。今はまだ日本の古い税制のせいで旧車は不遇ですが、それもそのうち見直される時が来ると思います。あまりに矛盾した税制ですからね。
そんなところで今日も私は愛車を愛でながら日々を過ごしています。クルマに乗るというのは本当に楽しいですね。メルセデスベンツGLAに乗ると、きっと世界が違って見えると思います。勇気を持って選んでみるのもいいかもしれませんね。