出典:VW UK August incentives for Golf, Polo and Scirocco/product-reviews

 

筆者の木本(きもと)です。今回はフォルクスワーゲンのシロッコは故障するのか?というテーマでお伝えしていきます。シロッコに興味のある方は以下の記事も参考になります。

フォルクスワーゲン故障の全貌!車種別解説まとめ

フォルクスワーゲンの故障率はヤバい?その真相に迫ります

VW(フォルクスワーゲン)イオスは故障するのか?

VW(フォルクスワーゲン)のゴルフが故障する理由は何?

シロッコはフォルクスワーゲン車の中でも歴史ある車種の一台で、40年以上も前からビートルやゴルフなどと共にラインナップの中心として君臨してきました。

 

初代の誕生は1974年までさかのぼり、2008年の3代目モデルまで一貫して有名カーデザイナーの手によって生み出されているというこだわりぶりです。ジョルジェット・ジウジアーロやワルター・デ・シルヴァなどなど、世界のカーデザインの礎を築き上げてきた人物です。

 

そのような人物たちの手によって生み出されてきたデザインの車がカッコ悪いはずがないわけですが、最新の三代目シロッコに関しては前から見ても後ろから見てもエッジが効いたデザインとなっていて、特にリアビューの引き締まりは多くの国産メーカーにも参考にしてもらいたいほど完成されていると思います。

 

シロッコは伝統的に2ドアクーペを守り抜いてきており、ゴルフよりスポーティ路線ですがベースモデルであればその違いはデザインが大半かと思います。

 

メンテナンスや故障リスクに関しては、ベースグレードではゴルフなどのDセグメント車と変わらない大衆グレードなので極端に言えば国産車と大きく変わる部分はありません。Rラインでなおかつ5年5万キロ以上は乗り続けるという場合は、ベースグレードとは別感覚で診なくてはいけないので注意が必要です。

 

そして2000年代に突入したフォルクスワーゲン車の故障といえばDSG問題が有名です。DSGというのはDual Clutch Gear Box(デュアルクラッチギアボックス)の略で、意訳すると「クラッチが2枚付きのギアボックス」という意味ですね。

 

マニュアル免許をお持ちの方であれば、「クラッチといえばマニュアル車」というのは何となく理解できると思いますが、このDSGというのは「操作はオートマ車と同じだけど構造はマニュアル車」というややこしいものです。

 

シロッコも一応「オートマ車」ですが、実はそのオートマとは「構造はマニュアル車」なのです。これまで国産車のオートマしか乗ったことがない人にとってはややこしいと思いますが、運転の仕方はこれまでのオートマ車と変わりないのです。

 

フォルクスワーゲン車はなんでそんなややこしいことをするんだと疑問に思う人もいると思いますが、そうすることによって従来のオートマより多くのメリットがあるからです。

 

  • 普通の運転でもスポーティで楽しく感じられる
  • 効率が良いので燃費を抑えられる
  • 従来のオートマ車より軽く作れる
  • 軽く作れる分燃費が良くなるほか、ボディ剛性の強化に充てるなどできる
  • 構造が単純で部品代も抑えられる

 

などなど数多くのメリットがある次世代のオートマなのです。実はフォルクスワーゲン車のみならず他社でも多く採用されてきていますが、フォルクスワーゲングループのDSGに関しては故障するという報告が相次いできました。

 

あまり多くは知られていませんが、本当に厄介なのはリコール後の方で、フォルクスワーゲンはドイツでは半国営企業ということで他社メーカーより「カイゼン」が遅い。

 

なのでDSGをリコールで新品にしても載せ替えたDSGが十分に改善されていないためまた故障を繰り返すということが起きてしまうのです。異常のあるDSGではほぼ保証期間内で故障発生するケースが大半のため、多くのユーザーは実費での交換は免れてはいます。

 

しかしリコール対応によるユーザーのストレスや不安はかなりものがあったと思います。DSGの詳細に関しては以下よりご覧ください。

VW(フォルクスワーゲン)DSG故障のリスクと対策は?

これらの点から近年のフォルクスワーゲン車全般で故障の不安があるとすればこのDSG問題に集約されると思いますが、故障報告の大半はDSGの「7速乾式タイプ」です。

 

DSGにはもう一つ「6速湿式」タイプがありますが、こちらに関してはほとんど心配ないと思いますので、シロッコを検討する場合は中古で湿式のDSG狙っていくのが無難といえば無難です。

 

 

買ってすぐ故障するハズレのシロッコを避ける方法は?

 

フォルクスワーゲンのシロッコは新車での販売が終わっているので中古車で狙うことになりますが、よく輸入車は当たり外れが多いと聞くと思います。ネット検索では悪い事例がちょこちょこ出てきて、それがあたかも真実で世のすべてと思い込んでしまいそうになります。

 

中古車の場合は新車と違ってすでに走行距離を重ねた車になるので、当たりはずれのリスクは大きくなりそうで不安かもしれませんね。中古車を選ぶときは価格から始まり、ボディの傷の具合とか内装の綺麗さとか、走行距離などが気になると思いますが、僕が中古車を買う時は以下の点を考慮して判断します。

 

  • 事故歴(修復歴)はあるのか?
  • 有償でも保証は付けてくれるのか?保証期間はどのくらいか?
  • その車の消耗品で優先的に新品にした方がいいものはあるか?(ネットで事前調査)
  • 走行距離は5万キロ前後か?
  • 前オーナーの整備記録は付いているのか?
  • ワンオーナーなのか複数オーナーなのか?
  • 長期保管車両でしばらく動かしていない車なのか、最近まで調子よく動いていた車なのか?
  • タイヤやバッテリーなど交換時期のものはどの程度あるのか?
  • 購入と同時に交換すべき消耗品は何か?予算はいくら必要か?
  • 車両価格+消耗品の交換代を見て予算内に収まりそうか?
  • 7~8万キロ走行の消耗品の予算に余裕がありそうか?
  • エンジンルーム内のコンディションは確認できるか?
  • 試乗はさせてもらえるのか?
  • エンジンから聞いたことのない音がしないか?
  • 走行中の変速ショックの大きさは問題ないか?
  • 足回りからゴトゴト音がしないか?
  • 全電装系をオンしてみて不具合はないか?
  • ショールームのすぐそばに自社整備工場があるか?

 

などなど、他にも気にしたい点はありますがざっとこのくらいの基準は設けるようにしています。加えてシロッコの場合だと湿式の6速DSGの方を選んだ方が精神衛生的にいいと思います。

 

私はこれまでドイツのオペル・アストラGクーペやイタリアのアルファロメオ・147、155など比較的低年式の輸入中古車を乗り継いできましたが、ここまで見ていればまず買ってから大きな失敗はなさそうですよね。

 

だいたい買って「はずれを引いた!!!」っていう人はこの辺を全く気にしない人です。見た目の綺麗さとかいくらで乗れるのか?というところばかり気にしていますが、見える部分はいくらでも綺麗にしてごまかしが効くものです。

 

それより中古車は前オーナーからどんな扱いを受けてきたか?という中身が最も肝心なので、それではハズレを引いてしまうのも無理はありません。

 

そのような基準から見ることができれば、「正規ディーラーで買うべき」とか「輸入車は認定中古車なら安心」というのは迷信レベルというのが分かりますし、彼らも整備した車を店頭に並べているわけでもないのであくまで「安心」というイメージだけが先行している感じですね。

 

とはいえ上記の全ての条件が実際に当てはまる中古車は珍しいため、このうちのいくつかは妥協することになります。妥協点が多ければ多いほど故障リスクが高くなると思ってもらって大丈夫です。

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修復歴の有無で故障リスクが変わるのか?

 

修復歴の有無は意外と軽視する人が多いですが、私なら修復歴のない個体しか選びません。というのも何か不具合が起きたときにそれが事故の影響なのか消耗品の劣化によるものなのかの診断が面倒だからです。

 

フロントバンパーを事故で押された車は見た目はきれいに修復してもエアコンラインなどに微細なクラックが入っていてガスが抜けていた、などまさかのトラブルが発生することがあります。修復ありの中古車は安めですが、不要なリスクは負わない方がいいですね。

 

車マニアも知らない保障の有無の大切さ

 

国産車でもそうですが、保証なしの中古車を買うというのはリスキーです。理由は「前オーナーがなぜ車を手放したのかが分からない」からです。車を手放したくなる時ってだいたい車検見積もりが高額だったとか、そういうネガティブな点があるからではないでしょうか。

 

そして安心と言われている認定中古車でもその辺のリスクは変わりません。中古車できちんと整備して店頭に並べているという店はほぼ皆無ですから、何かあった時のために保証は絶対外せない項目ですね。

 

8割の日本人が理解していない購入と同時に変えるべき消耗品

 

フォルクスワーゲン車はもともとドイツ発祥の車なのでメンテナンスについても本国基準で診ないと必ず失敗します。というのも国産車は車検があるので2年に1回ドカンとお金を払って一気にメンテナンスすればいいや、という雑な感じが当たり前ですが、ヨーロッパでは車検そのものがない地域が多く、事情が全く異なります。

 

その点については他の記事でもお伝えしていますが、シロッコをはじめとする欧州車のメンテナンスは車検ごとではなく走行距離を見る必要があります。

 

なので走行距離ごとに必要なメンテナンスは何があるのかを必ず把握しておき、必要な予算を購入前から計算しておいて余裕を持って行うことが大切です。もともと車検のない国からきたクルマなので、車検のある国で育ってきた日本人が欧州車に乗ると「故障だ!!!」と混乱するのです。

 

予備知識さえあれば「なんだそういうことか」というレベルの話なんですけどね。交換すべき具体的な消耗品については他のフォルクスワーゲン記事でもご紹介していますので、シロッコを検討されている人はお読みください。

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中古車は5万キロを狙うべき理由

 

クルマは国産車・輸入車問わずだいたい5万キロも走れば初期不良(製造ムラによるマイナートラブル)を出し切るので、前オーナーが全部直してくれている可能性が高いです。

 

それにどんな車でも走行5万キロをめどにまとまった消耗品交換が出てくるので、変えるべき部品を購入と一緒に変えれば新車に匹敵する調子の良さに仕上げることができます。

 

欧州車はこのあたりはシビアにできていて、しっかりメンテナンスしていれば愚図らないのですがサボるとすぐガタガタになったり警告灯が点灯します。よくBMWなどで「車検を通した後にすごく燃費が良くなった」という話があるのはそういうことです。

 

中古車で見るべきは外装よりも「エンジンの美しさ」

 

エンジン本体を見たときに「オイルがにじんでいる」というのは問題ですが、「この程度なら大丈夫ですよ」という販売店がいたら信用してはいけません。エンジンオイルが熱で気化したものをブローバイガスと言いますが、これがエンジンから漏れるとゴムパーツなどあちこち腐らせて悪さをします。

 

エンジンオイルが漏れてしまう原因としては故障でもなんでもない、ヘッドカバーガスケットというゴムパッキンの寿命、もしくは常識のない整備士による『人災』です。

 

実はオイルゲージの見方は国産車と輸入車では違うことがあり、間違うと1リットル多く入れたことになります。多すぎる分には問題ないのでは?という人もいるかもしれませんが、多ければエンジンからオイルが吹き出しやすくなってしまうのです。

 

なのでエンジンオイルは質でも粘度でもなくまずは「適正量を正確に管理する」ことが超重要です。

 

シロッコを買うべきか…後悔のないクルマ選びをするために

 

シロッコは2ドアクーペということで、人や荷物を載せるには不便な選択です。それに家族や友人からは「ガイシャなんて故障が多いに決まってる」「国産車にしておいた方がいいよ」とネガティヴな声を浴びせられることもあると思います。そのような意見を聞いて「やっぱり無難に国産車にしておこう」という人も大勢いるはずです。

 

クルマは大きな買い物ですので、たしかに周囲の意見を聞いて決めるというのは大切なことです。ですが誰だって車を運転しているときくらい、自由になりたいと思うはずです。

 

それが自分が本当に気に入った車ならなおさらそう思うと思います。妥協して現実的なクルマを買ったとしても、街でシロッコを見かければどうせ目で追ってしまうのです。そんなあなたを見て、周囲の人たちは喜ぶでしょうか?

 

本当に乗りたい車というのはあなたの心が一番知っているはずです。

 

もしシロッコでトラブルが起きたとしても、「またシロッコと走れるなら」と納得できるはずです。これが何の愛着もないクルマだったら、ただただ金の無駄だったと思うはずです。

 

さんざん心配な点もお伝えしてきましたが、シロッコはそうそう故障するようなポンコツではないので、「乗りたいならまずは乗ってみたら?」と背中を押させていただきます。思い出に残るクルマ選びができることを祈っています。

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