セレスピードが故障する原因とは?

 

「アルファロメオは故障する」というイメージを一躍日本人に植え付ける結果となったセレスピード問題について独自の目線でお話します。セレスピードとは1998年にアルファロメオが初めて「アルファ156」に搭載したセミオートマチックとして有名です。セレスピード搭載車についての記事は以下になります。

 

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以下よりアルファロメオについて車種別にお読みいただけます。

 

アルファロメオ車の故障とメンテナンスについてかなり学べます。

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以前私の所有していたアルファロメオ147もセレスピード搭載でした。しかし1年以上桜の木の下で放置された私の147のセレスピードシステムは正直言ってガタガタでした。

 

  • ギアが入らない
  • ギアが入ってもすぐ抜ける
  • 走行時のジャダー(振動)がひどい

 

当然このままでは走れません。そこで交換が必要な部品を洗い出す作業から始めました。セレスピードの図面を引っ張ってきますと、

 

出典:carsfromitaly

 

こんな感じです。それそれ数字がふってありますが、私が交換したのは図面の6と7のパドルシフトです。パドルシフトが壊れると、そもそもシフトチェンジができなくなります(CITYモードのみ走行可能)。そして最もトラブルが集中しやすい場所が図面の2のアクチュエーターユニットというものです。それでは2のアクチュエーターユニットを拡大してみます。

 

出典:Hydraulic System – Operation/Alfa Romeo Selespeed

 

少々複雑ですが…整備士以外ではなかなかここまで触るようなことがないと思います。ですが実際はものすごくシンプルな仕組みで、ダイレクトでマニュアルライクな走行フィールからも感じることができます。そして私の147で実際に交換したのは、

 

  • 図面の2のセレポンプ
  • 図面の6のアキュームレーター

 

になります。ギアが入らなかったのはこのセレポンプがクタクタになっていたのが原因です。次に、ギアが入ってもすぐ抜けてしまうのは油圧を保持するアキュームレーターが劣化していたからです。セレスピードがなぜ故障するのかというと、その大半が必要な最低限のメンテナンスをしていないか、もしくは雑な管理をされてきた個体を中古で購入してしまうことが原因です。

 

 

セレスピードは故障するから選ばない方がいいのか?

 

前回の『デュアロジック故障を防ぐためのフィアット購入術とは!?』でも少し触れていますが、セレスピードとフィアットのデュアロジックはほとんど同じです。デュアロジックの方は、セレスピードの元のシステムに加えてシフトフォークに負荷がかかりにくいコンピュータ制御を新たに施しています。なので無理な回転数でシフトダウンしたりすることがない分、故障は少ない傾向になります。デュアロジックの記事では「消耗品の集合体」という話を前回しましたが、セレスピードも同じ消耗品の集合体です。

 

消耗品ということは、定期的にメンテナンスしなければいけないということです。バッテリーやスパークプラグだって、定期的に新品にしないとある日突然エンジンがかからなくなったりするのと一緒です。セレスピードが故障する背景として、日本の一般的なオートマと混同されているという点があります。日本の感覚から言うと、オートマのメンテナンスは普段はあまり気を遣わない部分だからです。

 

だからセレスピードの必要なメンテナンスを放置して、ある日突然ギアが入らないというオチになるということです。つまり、セレスピードの中古車を選ぶときは正しいメンテナンスをされてきた車を選ぶことによって、ほぼ間違いなくトラブルは回避することができます。実際、私のアルファ147も最初のメンテナンスは徹底的にやりました。それは前オーナーが雑だったせいと、一年間桜の木の下で放置されて各部消耗品の劣化が激しかったからです。タイヤだって溝がなくなれば走れないので交換しますよね。

 

セレスピードだって一緒です。100%ということはありませんが、もしあなたがセレスピードの中古車を選ぶ場合は、そのようなハズレを選ばないようにするだけです。でもはずれを選ばないようにするなんてどうやればいいか最初は分からないものです。そこでポイントをしぼって重要な点をお伝えしていきます。

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セレスピードを故障させないクルマ選びはあるのか?

 

セレスピードが故障しにくいクルマ選びはどうすればいいのでしょうか?大まかなポイントとしては、

 

  1. 車の状態
  2. 販売店の対応

 

の二つを見れば、車の知識に自信がない人でもある程度見極めることができます。

 

選ぶべきはどんな状態のクルマがおすすめ?

 

走行距離はワンオーナーで5万キロまでをお勧めしています。理由は新車で5万キロ走った後のクルマはある程度初期トラブルが出尽くしているからです。セレスピードも同様で、もし1万キロ程度しか走っておらず新車保証が切れていたとします。そのような車で例えば3万キロ時点で初期トラブルが出てきたとすると、それは全額あなたの自己負担となります。つまり前オーナーが保証期間中に初期トラブルを直しているクルマを狙っていくわけです。なぜワンオーナーを勧めるかというと、より正確な整備履歴を追跡したいからです。2オーナー、3オーナーだとこの履歴がごちゃごちゃなパターンが大半です。

 

なぜ正しい整備履歴を追跡する必要があるかというと、あなたがその車を買う時に交換すべき部品を知るためです。あなたが仮に整備履歴が不明な中古車を買ったとしましょう。分かりやすい例でいえば、クルマのバッテリーです。整備履歴に、「バッテリーは2017年4月に交換済み」という記載があったとします。それが分かるだけで、あなたの欲しい中古車のバッテリーは新品なんだな、と分かります。でもその記載がなければ、中古なのか新品なのか分からないのでとりあえず購入時に新品交換しておかないと後々のバッテリー上がりが怖いですよね。

 

最近のバッテリーは車の全電気系統の性能を維持するため、ぎりぎりまで持つようになっていますが、その分突然死しやすい傾向になっています。だから、故障してから交換すればいいや、が通用しないのです。セレスピードも同じです。タイヤのように、今はとりあえず溝が残ってるからいいや、というわけにはいかないものです。買う時にどの消耗品を交換しなければいいかが分からないと、必ずトラブルが起きます。

 

こんな販売店から買うとセレスピードは故障する!

 

なんだかんだ言ってボンネット内を見せてくれない、整備履歴も開示してくれない、前オーナーがどんな人だったかを教えてくれない、試乗も言い訳してさせてくれないなどの対応をされたら迷わず他を当たりましょう。それらをさせてくれないのは、何か言いにくい後ろめたいことがあるからです。セレスピードの場合、ヤバい個体はジャダーが出たりぎくしゃく感が強めに出ます。また、ギアが入りくいなどの初期症状が出てる中古車もあります。

 

車の不調を知られたくないか、もしくは販売店自体も直し方を知らない可能性があります。また、その店舗に自社整備工場があるかもチェックしてください。購入後の話になりますが、整備工場を持たない販売店との付き合いは面倒なものです。自分のクルマの不調をちょっと整備士さんに見せたくても見せることができませんし、最悪の場合、ひどいクルマを売りつけられて逃げられる可能性も否定できません。他にも、在庫車の保証の期間などをチェックしてみてください。どれもこれも保証なしの場合は、その販売店が在庫車のクオリティに自信がないことを表しています。「うちの車は大丈夫ですから」といって保証が手厚かったり、具体的な整備内容などを開示して納車してくれる販売店は信頼できるかもしれません。

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セレスピードの具体的な故障対策はあるのか?

 

それではセレスピード搭載のアルファロメオを購入検討するときに何をすればいいのでしょうか?それはしっかりと正規ディーラーで定期的にメンテナンスされてきた車かどうかを整備履歴でチェックしてください。もしくは販売店の担当の人に直接聞くといいですね。特に見ていただきたいのは、セレスピードオイルがしっかり交換されてきているか、走行距離が5万キロ以下かということです。セレスピードオイルの交換をサボった個体を選ぶ場合は、本来交換の必要がない、アクチュエーターユニットがヘタっている可能性があります。

 

それは本来はめったに交換しない大物部品なので、交換には総額15万円ほどかかってしまいます。そこを渋ってしまうと将来的にギアが入らなくなる症状が出ます。そうならないようしっかりと整備歴は見ておきましょう。そして以下の整備を要求して、販売店が素直に応じてくれるかどうかも重要なポイントとなります。

 

  • セレスピードオイル交換
  • キャリブレーション(セレスピードのズレ調整)
  • セレポンプ交換
  • アキュームレーター交換
  • セレスピードのリレー交換
  • パドルシフトのクリック感のチェック

 

この項目は私が実際にセレスピードのアルファ147を乗り出すときに実施したことです。これ以外では、アクチュエーターユニット本体からオイルのにじみが無いかどうかも重要なポイントです。これらの予防整備を購入時の予算に組むことによって、より安心してセレスピードライフを楽しむことができると思います。

 

セレスピードを故障させないためのアルファロメオとの付き合い方

 

どんなに故障しないと言われているクルマでも、日ごろから大事にしていないと必ずトラブルが起こると思います。そこでセレスピードを故障させないための具体的なアフターメンテナンスと付き合い方についてお伝えしていきます。アルファロメオのセレスピード車を購入後、メンテナンスとして気を付けなくてはいけないのが、

 

  • セレオイルの点検を1万キロごとに行う
  • セレオイルの交換は2万キロごとに行う
  • 約半年を目安にキャリブレーション(再調整)を受ける
  • セレポンプの動作音のチェック(10年10万キロ目安で交換)
  • アキュームレーター交換(10年10万キロ目安で交換)
  • リレースイッチ交換(10年10万キロ目安で交換)

 

になります。上記はメーカー指定よりシビアなメンテナンススケジュールになっています。なぜセレスピードオイルをここまで細かくチェックするかというと、私個人の見解ですがトラブルの元凶はオイルの汚れやすさにあるとみているからです。セレスピードの構造上、オイルにかかる圧力はハンパじゃありません。なのでメーカー指定よりはるかに速いスピードで汚れていくのではないかと思います。それがアクチュエーターユニット全体に悪影響を及ぼしているものと考えています。

 

アクチュエーターユニットは本来交換が必要のない大物の部品です。なのでそこさえダメにならなければセレスピードは乗り続けられると思います。セレポンプの動作音とは、運転席側を開けたときにエンジンルームの方から「キュイーン」というモーター音が鳴るようになっています。それがいつもと違う感じがしないかをチェックしてください。

 

アルファロメオのセレスピード車は避けてマニュアルにすべきか?

 

アルファロメオでもセレスピード車は民間の整備工場でも「故障するよ」「マニュアル車がいいっすよ」という風に言われています。そうなるのも無理はなくて、整備士さんは壊れたら直すことが仕事で、レッカーで不動になった車のパーツを新品に入れ替えて「直しました」といって「故障が多いっすね」という流れ作業をやっているものです。そもそもセレスピードとは何なのか?セレスピード車はどうすれば快適に乗れるのか?アルファロメオはどのような考えでセレスピードという車を作ったのか?ということまで考えて、次の仕事に活かしてお客さんの信頼を得ようとするプロは少ないのが現状だと思います。

 

私は自称プロを名乗る整備士さんは数多く見てきましたが、本当に腕がいいと思える方にはそれほど多くお会いできていません。ダメ整備士だなあと思う人の共通点は「なんでも車のせい」にするという点です。自分の腕のなさを棚に上げて車を壊してしまう人です。オイルゲージの見方一つとっても国産車と輸入車では少し違いますが、間違えてエンジンオイルを入れすぎてもエンジン不調を引き起こす原因となります。「エンジンオイルは量の管理がもっとも大切」という当たり前が分からない整備士さんに預けても故障させられるだけです。

 

そんな背景もあってかセレスピード車の中古車市場はマニュアル車ほど高額となり、セレスピード車ほど価格が落ち着いてきています。アルファロメオはマニュアル車じゃないとイヤという人がいますが、セレスピード車唯一の楽しみやメリットがあまり見えていないのでしょう。マニュアル車より安く買えるというメリットを活かして、購入と同時に新車同等のコンディションを復活させる予算を組む余裕が生まれます。

 

それに運転したときに普通のMTではできない変速動作も可能となりますので選ぶ価値はあると思います。それにAT限定免許でも運転できるので家族の同意も得られやすいというメリットも大きいのではないのでしょうか。ちょっと頭をやわらかくして見ると選択肢は意外と増えるので、そういった視点を持つのもいいかもしれません。あなたのクルマ選びの参考になれば幸いです。

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