フィアットのデュアロジックとは?

筆者の木本(きもと)です。今回はデュアロジック故障を防ぐためのフィアット購入術とは?というテーマでお伝えしていきます。デュアロジックの故障について興味のある方は以下の記事も参考になります。

 

フィアット車に必要なメンテナンスとは?

フィアット500は故障するのか?

 

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フィアットは故障する?車種別まとめ!

 

フィアットのデュアロジックとはフィアット車特有のセミオートマのことをいいます。いろんな説明のしかたがありますが、

 

  • クラッチペダルのないマニュアル車
  • オートマ限定免許でのれるマニュアル車
  • みためはオートマだけど構造はマニュアル車
  • アクセルをふむだけで走れるマニュアル車

 

 

ふつう、クルマというのはオートマ車かマニュアル車のふたつにわかれます。しかしデュアロジックの場合はすこしかわった仕組みのためそのどちらとも分類されない第三のトランスミッションともいえます。以下の画像は私の所有するアルファロメオ155の足元ですが普通のマニュアル車なのでペダルが3つあります。

 

 

ギアをいれたり変速したりするときは一番左のクラッチペダルをふんでチェンジしていきます。そして同時に操作しなくてはいけないものが以下のシフトレバーです。

 

 

通常のマニュアル車であればシフトレバーとクラッチペダルを足でスコスコふんでギアチェンジをしていきます。しかしデュアロジック搭載車の母のフィアット500の場合は、

 

 

ごらんのとおり、ペダルが二つ。クラッチペダルがありません。ですがボンネットの下にはしっかり5速マニュアルトランスミッションが搭載されています。つづいてシフトレバーをみてみます。

 

 

みためはおしゃれなレバーですね。はじめてみたという人もすくなくないかもしれません。オートマ車のようにPのマークもなければマニュアル車のように1、2、3などの数字もかいてありません。従来のマニュアル車は人がギアチェンジしますが、デュアロジックの場合は中のロボットが自動でギアチェンジしてくれるのです。なので人がわざわざギアチェンジする必要がない画期的なトランスミッションなのです。

 

 

デュアロジックはどうして開発されたのか?

 

デュアロジック車を運転するときはアクセルペダルをふんでいるだけでクルマをはしらせることができます。でもそれって普通のオートマとなにがちがうの?と思うかもしれません。開発したフィアット社の考えとしては、

 

  • マニュアル車のエネルギー伝達効率の良さをそのままに
  • よりはやく、効率的なシフトチェンジを実現するために
  • でもオートマ車の気軽さもそこなわない

 

という理想的なトランスミッションを市販車に搭載したかったのです。でも開発はフィアットではなく実はフェラーリです。もともとはフェラーリがF1で勝つために開発した技術だったのですが理由は単純で、

 

  • シフトチェンジを手でやらずにマシンがやってくれたらはやいのではないか
  • マシンがシフトチェンジしてくれたらドライバーはブレーキングに集中できるのではないか

 

というところからきているようです。そもそもなぜフィアットはフェラーリの技術をもらうことができたのでしょうか。実はフェラーリは1969年ごろからフィアット傘下に入り、経営を安定させてきました。他にもイタリアのほとんどの自動車メーカーはフィアット傘下にはいっています。

 

企業規模で言えばフィアットグループはトヨタの比ではないです。そういった背景からフェラーリのF1マシンの技術はフィアットグループ内のアルファロメオ、マセラッティ、アバルトなどにも採用されていきました。

 

つまりデュアロジックは市販車でフェラーリのF1マチックのような運転フィールをあじわうことができるという実はとても刺激的な技術だったのです。いっぽうでデュアロジックは一部では故障するといわれているようですが、実際のところどうなんでしょうか。

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デュアロジックが故障する原因

 

デュアロジックってそんなに故障するのでしょうか?私のアルファロメオ・フィアットの営業時代では多く質問されていました。私はそのたびに「機械なので100%ではありませんが、きちんとメンテナンスしてもらえれば心配ありません」という答え方をしていました。

 

これは新車ですし保証期間も最長5年あったので修理の自己負担によるリスクも皆無だったからです。ですが中古のフィアット車となると話は別です。例えば2006年式の中古のグランデプントを選ぶとします。

 

出典:フィアット・プント/wikipedia

 

このクルマにもデュアロジックが搭載されています。しかし年式はすでに10年が経過した車です。調子が良いからといってこのようなクルマを中古でそのまま買って乗りっぱなしにしておくとそう遠くないうちにトラブルに見舞われるリスクは否定できません。それではどこがどうなってしまうのでしょうか?以下の画像をご覧ください。

 

出典:Dualogic♪ Part2 油圧がキモ!?

 

これがデュアロジック本体を上から見た現物です。見たところ複雑そうですが大雑把に解説すると、

 

  • アキュームレーター…油圧を一定にたもってくれる
  • 電動ポンプ…油圧そのものを発生させる
  • デュアロジックオイル…デュアロジックの血液となる作動油

 

になります。くわしい説明はややこしいだけなので割愛しますが重要なのはこれらの部品は消耗品であるということです。消耗品というのは身近な例でいえばワイパーゴムやタイヤ、エンジンオイル、バッテリーなどです。ようするにこういうことです。

 

  • ワイパーゴムが劣化してふきとりにくくなったらゴムを交換しますよね。
  • バッテリーがあがってエンジンがかからなくなったら、バッテリーを交換しますよね。
  • タイヤのみぞがへってブレーキのききが悪くなってきたら、タイヤを新品にしますよね。

 

ふつう、消耗品がダメになったらそれを故障とはいわないと思います。デュアロジックの場合アキュームレーターもセレポンプも消耗品なのです。このように消耗品の集合体のデュアロジックのメンテナンスをサボった結果がどうなるかということは想像がつくと思います。

 

  • アキュームレーター内部のゴム劣化→油圧が一定にたもてずギアがすぐぬけてしまう
  • 電動ポンプの動きがしぶい→ギアがはいりにくくなる
  • デュアロジックオイルの交換を放置→電動ポンプの作動回数がふえ、摩耗がはやまる

 

なので中古のデュアロジック車を購入する際はかならずこれらの点検、交換は必須項目となります。逆にこれからお伝えするルールをしっかりまもっていればギアがはいらないという手のトラブルリスクを最小限におさえることができます。

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デュアロジックの故障リスクを最大限までおさえる方法は?

 

フィアット車に搭載されているデュアロジックというシステムがなぜ故障するといわれているのかについてちょっとほりさげてお伝えしてきました。そもそもデュアロジックは消耗品の集合体で、放置していればトラブルがおきてしまいます。それでは具体的にクルマを購入するときにどのような点に気をつけたらいいのでしょうか。

 

車の整備履歴書を見せてもらう

 

私が仮に中古のデュアロジック車を買うなら整備履歴があるのかかならず確認します。整備履歴がない、整備履歴をいいわけしてみせてくれない販売店は論外ですのでさっさとほかを当たるようにしましょう。その車がこれまでどのようなメンテナンスをされてきたのか確認することは非常に大事です。なぜならそれによって購入後トラブルがおきる確率は段違いにかわるからです。

 

私がこれまで輸入車を購入し特に大きいトラブルに見舞われなかったのもこの履歴をしっかり見せてもらっていたからです。デュアロジックの場合は購入後しっかりディーラーで点検整備されてるかが重要となります。デュアロジックの専用オイルは遅くとも3万キロに一回は交換されているかをチェックしたいところです。それすら行われている形跡がない場合は迷わず避けたいところです。

 

車の走行距離をチェックする

 

走行距離はすくなければすくないほど良いです。具体的には5万キロ以下をねらうと良いでしょう。ですが走行距離が1万キロ以下で新車の保証がきれている車はそれなりにリスクがあります。理由は単純です。日本車でも輸入車でもそうですが走ってみて初めて初期不良が発生するケースが一定数あります。

 

もちろん保証はないのでトラブルが起きたら自己出費となります。なので前オーナーがある程度走行して、初期不良をだしきったと思われる5万キロ程度のクルマをねらうといいです。

 

私のねらった最初のオペル・アストラやアルファロメオ・155はどれも3万キロでした。最初のオーナーが3万キロ走るうちに心配とされる製造ムラが解消され、2オーナー目の私は原因不明のトラブルにも悩まされず安心してのれているというわけです。

 

そして保証がついていない中古車は販売店からしてみれば「どうなってもあなたがなおしてください」という自身のなさの表れです。交渉次第では1か月でも保証をつけてくれそうな場合はある程度品質に自信があるということになりますので、チェックして下さい。

 

デュアロジック消耗品交換分の余裕を持っておこう!

 

仮に5万キロ程度の状態の良いクルマが見つかっても必ず販売店にデュアロジックの点検をしてもらいましょう。点検にはイグザミナーという専用のテスターが必要ですがきちんと診断してもらえるのか確認します。先ほどデュアロジックは消耗品の集合体という表現をしましたが最初からすべてを交換する必要はないと思います。それぞれ交換目安がありますので参考程度にご覧ください。

 

  • アキュームレーター     10年もしくは10万キロ
  • セレポンプ         10年~15年もしくは14万キロ(本国指定)
  • アクチュエーター      本来は交換の必要なし。15万キロまでに様子見で推奨
  • デュアロジック専用オイル  2年もしくは2万キロ
  • キャリブレーション     5年もしくは5万キロ

 

厳密にはクラッチキットなどありますが今回はデュアロジック関係のみのご紹介です。以上の数値は私個人の感覚的な補正も入れています。なぜなら日本のインポーター(輸入元)が推奨している交換目安が現状とかけはなれている場合がまれにあるからです。

 

例えば上記のデュアロジックオイルは「3万キロごとに点検」とされていますが、私なら「2万キロごとに交換」を推奨します。理由は単純で、専用オイルはかなり汚れやすいからです。オイルには相当な負荷がかかっていますし、デュアロジック全体を循環する重要なオイルですのでまめに交換することによってかなりトラブルをふせげると思います。

 

アクチュエーターは大物部品に分類されて現在でもの結構な金額の部品になりますので基本的には交換しない部品ですが、専用オイル交換をサボってきた車はここがクタクタになってしまっている可能性がありますので要注意です。キャリブレーションというのは簡単にいうと「ズレの調整」です。

 

これをやってもらうことによって変速時のジャダー(振動)を抑えることができます。「そんなの知りません」といわれたらここでも販売店の技術力を疑ったほうがいいと思います。以上のような理由からデュアロジック車を購入するときは+20万円ほど予備費用があるといいです。

 

後悔しない車選びの基準とは何なのか?

 

ここまで読んでいただき分からない点や驚かれた点、戸惑われた点など様々あるかと思います。クルマってメカニカルな面などいろいろと面倒な面もあるのでつい何も考えなくてもいいほう、楽なほうを選択というものをしてしまいがちです。小難しいことよりもとりあえず「安心して乗れる車」というのは誰もが求めますから結局みんな個性を捨てて同じ車を選んでしまいます。

 

ですがクルマにこだわりを持たない人は本来いないはずです。

 

フィアット車を求めてしまう人の共通点は「何か日常にスパイスが欲しい」とか「今のままじゃダメだ」とか、「車はやっぱり見た目が良くなくちゃ愛着がわかない」といった不満を持つ人が多いです。それはある意味あなたにしか備わっていないもの、ある意味人と一線を画す才能をもっているとも言えます。そんなあなたが好きになってしまったクルマを妥協するなんて後々後悔するのは目に見えています。どうせ街中で気になる車を見かけたら目で追ってしまうにきまっています。

 

そんなことをくりかえしながら、それでも「なんとなくある安心感」が大切でしょうか。人は現状維持が一番安心します。確かにみんなと同じ車に乗ることはなんとなく安心感があります。でもそれと引き換えに「退屈」状態になっています。それでも人生はたった一度しかないのです。それならば思い切って一歩踏み出す勇気を持つことが、まだ見ぬ楽しみの可能性を広げることにならないでしょうか。あなたにとって最高の一台に出会えることを願っています。

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