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BMWのF30(3シリーズ)は故障するのか?

BMWのF30(3シリーズ)は故障するのか?

BMWのF30(3シリーズ)は故障するのか?というテーマでお伝えします。BMWの現行3シリーズに興味のある人は以下の記事も参考になります。

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BMWのF30は3シリーズの現行モデルであり、日本では主力車種となっています。BMWの独自性を示すキドニーグリル(豚鼻)をそのままに、一目で「3シリーズだ」というのも分かります。先代よりアグレッシブでたくましく生まれ変わりました。

出典:Base Trim F30 3 Series in Liquid Blue

近年のBMWで大きく変わったと思うのは日本仕様のトランスミッションが「トルコン式オートマ」になってきているということです。現行ではMモデルがツインクラッチを採用していますが、以前はMモデル以外でもツインクラッチが主流でした。他のドイツメーカーでもトルコン式オートマに逆戻りする現象が起こっています。背景としては都内での使いにくさがあったのかもしれません。多くの日本ユーザーが求めるのは「違和感なく滑らかに素直に走ってくれる」ということです。ツインクラッチ搭載のクルマで違和感を感じるのは「クリープが弱い」であったり「出足が少しもたつく」ということがあります。

なのでBMWは通常のラインナップからツインクラッチを廃止し、「走りのBMWをMモデルで体現する」という方向性に切り替えたのかもしれないと予想しています。ですがそれでもBMWのオートマ車は他メーカーよりスポーティさを感じられるものになっていますので、伝統に習っていると感じます。BMWのメンテナンスで盲点となるのは「トルコン式オートマ」です。オートマのメンテナンスとして最も有名なのはATFの交換ですが、BMWジャパンに問いあわせても「ATFの交換は不要です」という回答が来ます。ですが私個人としてはATFの交換はした方がいいと思っています。BMWのATFのフルードパンは伝統的に下図のようになっています。

出典:これもメンテナンス..BMW F30 ATF交換 これでさらに快適に

BMWではATFのオイルパンそのものがマグネット式のフィルターとなっているのです。ここにATFが流れ込み、磁石の力で鉄粉を除去する仕組みとなっています。当然距離を走ればフィルターの効力も薄くなってきますので、ATFの汚れを除去しきれなくなります。私が知る限りでは2~3万キロも走ればATFは真っ黒になります。つまり汚れを除去しきれなくなったフィルターを放置しておくと、ATFはどんどん鉄粉と煤だらけになりやがてヘドロ状態となります。

そんなヘドロと化したATFを放置して、果たして本来のオートマの役割を果たしてくれるのか?そして故障の心配はないのか?と疑問に思いませんか。実際に調べてみるとATFを交換してないF30ではシフトショックがわずかに感じるようになっただとか、パワーロスを感じるようにもなるという例もあります。その傾向はE90やさらに先代のE46からも変わっていません。

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なので気付いた人から愛車のATF交換をしているという人が増えているような気がしますし、最近ではBMWに強い民間の工場も多いです。 そういった背景から私はBMWのF30のATF交換は定期的に実施することを推奨します。そして必ずフィルターも同時交換するようにします。すぐにとは思いませんが、10年以上など長い目で見たときに故障しないとも言えないということがお分かりいただけると思います。ここまでの解説でBMWはめんどくさいと感じられた人もいるかもしれません。ですが他社がやらないことを平然とやってのける、それが走りのBMWなのです。

元々が高い次元で頑丈なのと相まって、手をかけてメンテナンスをすればオートマに余計な負荷がかからなくなり20年30年は元気に走ってくれるポテンシャルを秘めたクルマです。それに一度メンテナンスしてしまえば劇的に走りに変化が現れるのもBMWのすごさであって、それが駆け抜ける歓びにつながるのです。逆に車検の度にクルマを買い替えるという人にはそのすごさは感じにくいかもしれません。

それに最近は輸入車といえど過剰ともいえるほどの保証やロードサービスなどの待遇が受けられます。BMWのE30もその例に漏れず、5年程度で買い替える人にとってはもはや故障による出費はほぼ考慮しなくても良い時代になってきています。BMWのF30固有の故障は特に報告されていないようですが、オートマのメンテナンス次第では将来的に故障もあり得るということがお分かりいただけたと思います。

 BMWのF30の車検は高額になる?

BMWのF30は基本的に頑丈で予期せぬ故障の不安もほとんどないクルマです。今はネット検索すればいくらでもユーザーボイスを聞けるので分かりますが、国産車とほとんど変わらない次元に来ているといっても過言ではありません。メンテナンスについては、いくら天下のBMWとはいえ車の原理原則はカローラなどの国産車となんら変わりません。距離を重ねれば似たようなパーツが似たような時期に寿命を迎えるのでメンテナンスするということです。それを聞いてしまうとハードルが低いように感じますが、伝統的に欧州車では「消耗品とされるパーツが多い」ということを耳にしたことはありませんか?国産車では普段交換しないようなパーツでもBMWでは交換対象となるパーツがあります。具体的に見ていきますと、

5万キロ毎の交換

  • ブレーキパッド+センサー
  • フューエルフィルター
  • イグニッションコイル+スパークプラグ
  • ウォーターポンプ
  • サーモスタット
  • ブローバイホース
  • ATF+フィルター+AT制御CPUリセット
  • イグニッションユニット
  • フューエルホース

などの部品が交換時期となります。聞きなれない専門用語のような部品も多いかもしれませんが、大切なのは「BMWを買うといつかはこんなメンテナンスが必要になるのか」ということを購入前から知っておくことです。そしてポイントは5万キロごとという点です。1年あたり1万キロ走行するとすると5万キロ走るころというのは5年目の車検時期と偶然にも重なります。つまり上記のメンテナンスが5年目の車検で一気に必要になってくる、という予想を立てられると思います。さらに8万キロも走行すれば以下の部品も交換時期となります。

  • カムシャフトセンサー
  • クランクシャフトセンサー
  • エアフロメーター
  • フューエルポンプ
  • O2センサー×4個
  • アッパーマウント+ショックアブソーバ4輪
  • アイドル制御バルブ

8万キロ走行となるとだいたい7年目の車検時期と重なります。このあたりになるとエンジンの始動や排ガスにも関わるような重要なセンサー類は軒並み寿命になってくると考えていいです。放置しておけばエンジンチェックランプが点灯し「故障だ!」と大騒ぎすることになります。でも落ち着いてセンサー類を新品に入れ替えるだけで嘘のように元気になるのも欧州車の特徴です。バッテリーだって定期的に新品に交換していればある日突然「エンジンがかからない」という危険も避けることができますよね?最後に10万キロ目安で、

  • ブレーキディスク4輪
  • カムシャフトカバーガスケット
  • スタビライザー等ブッシュ類一式交換
  • 5万キロ毎の消耗品

などが交換時期となります。この時期からエンジンからオイルがにじんできた、という個体も現れるかもしれませんが、どんな車でも放置すればオイルがにじんでしまうことはあります。ですがそれはエンジンに挟まっている定価5千円くらいのゴム状のパッキンを入れ替えるだけで治まることですので大した問題ではありません。なお、車種やメーカーによっては微妙にパーツが異なることがありますので、より正確な交換部品についてはメーカーにご相談ください。スパークプラグなども交換時期がもう少し早い(3万キロごと)こともあるので少し注意が必要です。

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BMWだから車検が高いのか?

ここまでご覧いただき、BMWはやっぱりお金がかかるのか…と思われた方もいるかもしれません。事実、国産車より消耗品とするパーツの範囲が広いという点があります。BMWをはじめとする欧州車は消耗品をガンガン交換することを前提として、エンジンや足回りに余計な負荷をかけないよう設計されています。なぜそんなことができるかというと本国では自動車の部品は価格競争が起きているからです。メーカー純正品のほかにボッシュやビルシュタインなど大手社外品メーカーが乱立し、品質・価格競争が起こっています。消費者にとっては部品がどんどん安くなる環境が整っていますので、BMWだろうがイタリア車だろうが維持にはあまり困らないという夢のような環境なのです。

日本ではメーカーが部品を独占しているので、部品の値段は「言い値」になっています。トヨタが「オイルフィルターは1500円です」と言えば1500円なのです。ところがヨーロッパ市場を閲覧できるebayなどを少し覗いてみるとオイルフィルターは300円なんてことも珍しくありません。しかもある程度自分でメンテナンスしてしまえばいいという人が多いので、そんな環境であれば部品をガンガン交換できるというのも分かります。日本では国産車問わず部品そのものの値段が割高で、なおかつ人任せなので人件費も相まってかなり高くついているのです。そして国産車に乗ってきた人なら体験した人が多いかもしれませんが、国産車でも5年目7年目以降の車検から急に高額になりませんでしたか?

それはBMWのF30でも交換する、似たような種類のパーツを似たような時期に交換しているからです。普段は車検の見積もりなんて見ないという人は多いので知らないだけです。しかも日本車の部品であっても決して安くはないのです。車の基本的構造はどれも変わらないということを耳にしたことがあるかもしれませんが、それは国産車であっても外車であっても原理原則は変わらないということを示しています。そして車検が高額になると「そろそろ新車はどうですか?」というお誘いが来るというパターンを永遠と繰り返すというのが日本の自動車販売の常套手段となっています。メーカーにとっては車検制度はおいしいはずです。そんな現状でも私たちユーザーにできることはあるはずです。

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BMWのF30の車検負担を減らす方法はある?

BMWのF30の車検負担を減らす方法はあるのでしょうか?これまで私がお伝えしてきた内容をご覧いただいた方はF30を維持していく上で必要となるメンテナンスを心得ていると思います。必要なメンテナンスを予想できているのであれば予算がいくら必要なのか見積もりをとることができますよね?そしてポイントはメンテナンスというのは距離が5万キロだから必ず一気に全てやらなければいけないということではありません。もちろん、すべてのメンテナンスを車検時に一気にやらなくてはいけないという法律もありません。

私はアルファロメオ155という古いイタリア車に乗っていますが車検時に請求が来たら一気にメンテナンスするということはやっていません。具体的には車検を迎えるまでに計画的にパーツ交換をしていくというスタンスでやっています。例えば5万キロ交換目安のブレーキパッドであれば4万キロ走行くらいで見積もりを取ります。そしていくら予算が必要かが分かった時点で次はそれを「いつやるのか」決めていきます。「来月はブレーキパッドとセンサーを交換してもらって、次の月にはウォーターポンプとサーモスタットを交換しよう」といった感じでメンテナンスを『少しずつ』やっているのです。

そうしてやっていくとどんなメリットがあるかというと費用負担が分散しますよね。それにあらかじめメンテナンスにいくら必要か?ということも分かっているので予算も慌てずに組むことができます。早めに部品交換すれば「故障だ!」と騒ぐ前にトラブルを抑えられますし、トラブルがあっても「そろそろあの部品が寿命だから、それが原因かも」と目星をつけることもでき、冷静に対処できます。何より車検を受けるころには「いじるところが何もない」ので税金と諸費用以外は支払いがない、という状態にまで仕上げるということも可能なのです。

メンテナンスをやってもらうコツは「ついでに」を意識して工賃を浮かせることです。ブレーキパッドであれば、センサーも『ついでに』交換すればタイヤを二回も外さなくて済みます。そもそもどれを一緒に交換していいか分からないという人も多いかもしれませんがその場合は「安く部品を交換したいのですが、一緒に交換できる部品はありませんか?」と整備士さんに相談することが一番です。他にも当サイトではBMWの故障やメンテナンスに関する考察をしていますので、F30をご検討されている方はぜひ一度ご覧いただくことをお勧めします。

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