ベンツW222は故障するから値崩れが激しいのか?

 

筆者の木本(きもと)です。今回はベンツW222は故障するから値崩れが激しいのか?というテーマでお伝えしていきます。ベンツW222はSクラスの現行モデルとなり、2013年より日本で販売されています。当時は雑誌で新型Sクラスの発表を知りましたが、その先進性とデザインの素晴らしさに感動したことを覚えています。あれからもう5年が経つというのが信じられませんが、未だにその存在感は衰え知らずです。以下より旧型Sクラスの記事まで飛べます。

 

ベンツW221は故障するのか?エアサス車に待ち受ける運命

 

そんなベンツW222も2013年モデルに関しては5年落ちというから驚きです。中古車価格を見ると5万キロ走行の個体でなんと車両価格で400万円(!)から買えるものもあります。さらに走行8万キロくらいになると400万円を切るものもあり、その値落ちの凄さに驚きです。「400万円ならば新車のマークXを買うより断然お得」という記事を書いたライターに対してヤフコメ民からは批判的なコメントが寄せられていました。Yahoo!Japanは月間アクセス数が700億を超え、多種多様な意見を持った人が集まるので炎上しやすいですね。

 

出典:Mercedes-Benz S-Class W222 (2013-present): Review, Problems, Specs/drivemag.com

 

私としてはYahoo!コメントは軽く聞き流す程度で、記事の内容に対しても「まあこんな意見もあるよね」くらいに見ていますので私はあえてコメントは投稿しません。ただ多くの人が気になるのが「400万円まで値落ちしたW222は故障が多いのでは?」という点ですね。この点に関しても「新車のマークXを買った方が故障しないに決まっている」というコメントや「値落ちした中古のベンツなんて故障した時の出費が痛すぎる」というコメントが目立ちました。

 

今回はその点にフォーカスしてお話させてもらいます。まず最初に値崩れの激しさに関してですがこれは故障しやすいから値崩れを起こしているわけではないと思います。車はだいたい一年ごとに寝落ちするパーセンテージが決まっているという点が大きいと思います。例えば車の値落ち率が一年で15%とすると、車両価格150万円の国産車は一年後には127万円、1000万円の輸入車はなんと850万円になってしまいます。そのペースで落ちていくとすれば5年も経てば400万円というのも理解できます。国産車は需要があるから値落ちしにくいかと思いきや、元々価格が安いからというのが一番大きいと思います。

 

そして例外的に、国産車ならばよく盗まれるでお馴染みのプリウスやハイエース、ランクルなどは根強いファンがいたり需要が大きいので価格が下がりにくいですね。輸入車もジープのラングラーやルノーのカングー等の実用性があってこちらも根強いファンが一定数いるのでなかなか値落ちしません。そういった特別に人気のクルマを除けば、国産だろうと輸入車だろうと10年も経てば同じ末路をたどることになります。

 

 

5年5万キロ越えのベンツW222は故障するのか?

 

値落ちするもう一つの理由として新車から5年経過というのは2度目の車検時期であるということと、メーカー保証がちょうど切れるタイミングであることも大きいです。ベンツオーナーの中には「保証が切れたら手放してまた新しいクルマに乗り換える」という人も一定数いるはずです。保証の無くなったベンツは故障するかもしれないかし、それならいっそ新しいクルマに買い替えた方が良いと考える人ですね。そんな事情で手放され中古車として出回っているベンツW222は故障するのかというと、私は故障しないと考えます。

 

その理由は車に元々欠陥があった場合は1オーナー目が直してくれているはずと考えるからですね。欠陥とは製造の段階で不備のあった場合のリアルな故障のことで、5万キロも走っていればだいたい出尽くします。輸入車は品質がバラバラだという都市伝説がありますが、例えそうだとしても2オーナー目のあなたには関係のない話です。なぜなら1オーナー目が5万キロも走っているので何かあれば保証の範囲で全部直しているはずだから、ですね。

 

衝撃的かもしれませんが、国産・輸入車問わず意味の分からない故障やトラブルに一番合いやすいのは実は新車から乗っている1オーナー目だったりします。そういった製造段階から来ると考えられるトラブルの総称を私は「初期トラブル」と呼んでいます。そして新車から初期トラブル続きの目に会ってしまった1オーナー目は「やっぱりベンツは故障する!」「保証が切れたら怖くて乗れない!」と言って乗り捨てる…というのが実際あると思います。

 

さらにベンツW222クラスのクオリティとなると実際故障のリスクが少ないので中古車として買い取った販売店が「W222は故障する確率が低い」と判断してメーカー保証が無くなっても1年保障とかつけるので、実は再度保証が復活する可能性が高いです。そういった背景から私は「初期トラブル吐き出し済みの走行5万キロ前後の保証付きベンツが買える2オーナー目が一番おいしい」と考えているほどです。この話を信じるかどうかはあなた次第です。

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ベンツW222は故障すると修理費用がとてつもなく高いのか?

 

よくベンツは故障すると修理費がとてつもなく高いというように言われますが、実際のところどうなんでしょうか。私としては「半分正解」だと思います。高額になる理由としてメルセデスベンツの車種全般が高度なECU(コンピューター)だらけというのがあります。特にSクラスとなるとその数は多く、電動化されている車の装備には高確率でECUが組まれていると思ってもらってもいいほどです。このECUこそが他社の追従を許さぬ天下のメルセデス・ワールドの英知の根源となる部分です。

 

車体のあちこちにECUがあるため一つでも故障するとパーツ単体の金額が高額になりやすいです。ECU関係の故障は初期トラブルとして1オーナー目が解消している場合が多いですが、2オーナー目の人が長く乗る場合は長い目で見て一つ、二つの故障は想定しておき、出ても冷静になれるべく構えているくらいがちょうど良さそうです。そのあたりは「ベンツの特別なSクラスオーナーになるために必要」と割り切る他ないですね。

 

そしてベンツをはじめ輸入車の修理費用が高いと言われてしまう原因の一つとして、輸入車は大排気量のモデルが国産車と比較して多いということがあります。修理費用が高くなる原則として、エンジンが大きく複雑になればなるほど部品点数が増え、工賃がかさみトータルのメンテナンスコストが上がります。国産車は660cc~2000ccのエンジンが一番普及していますが、例えばメルセデスベンツの場合は6000ccくらいまであります。

 

この差は実は大きくて、同じオイル漏れのトラブルでも2000ccのエンジンではボンネットを開けるだけで点検できるとすれば、6000ccのV8エンジンやV12エンジンとなれば点検スペースを確保するためにエンジンクレーンが出動することもあるためですね。そのことからもV8やV12エンジンはとても贅沢品ということが分かりますので、あなたが実際どこまでこだわるかよく考えた方が後悔が少ないと思います。

 

ベンツばかりが高額修理になるのか?

 

前項で半分正解とした理由のもう半分については、ベンツばかりが高額修理になるというわけではないという事です。実際は国産車でも保証が無かったらえげつない修理代になるケースは少なくないです。特にトランスミッション系のトラブルは部品単体を修理するということは少なく、だいたい手に負えずミッションごと交換します。そうなると一発で30万円オーバーになりますし、この手の故障で泣き寝入りしている事例はググれば履いて捨てるほど事例があります。

 

さらに近年モノの国産車はよせばいいものをガソリンにハイブリッドシステムを投入してややこしさが上がってきていますよね。その耐久性も未知数です。実際の耐久性は不明ですが、ユーザーは「国産車だから」というだけで信頼しますので、そこそこ売れている結果となっています。電気自動車などは自動車史において全く実績がないのでさらにややこしい感じですね。

 

ややこしいところにさらに自動ブレーキとかいろんなセンサーをどんどんつけるのでさらにややこしくなり、現存するメカニックも修理の前例が少ないので故障診断に手間がかかり…ということを考えるときりがないですね。本当に故障が心配で、メーカーの整備士に買う前に故障するか聞いちゃう人もいるそうですね。聞いてみるのはいいですが、どのメーカーに聞いてもみんな同じ回答だと思います。

 

例えば日産の整備士に「日産車に乗り換えようと思うんだけど、故障多い?」と聞くと「壊れるからやめときな」と言われますし、それはホンダだろうがトヨタだろうが同様です。普段から故障車ばかり修理していますので、自社ブランドばかり故障が多いと錯覚するんですね。ということでメーカーの整備士の意見が必ずしも参考になるかどうかは分からないという話でした。

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エアサスの故障は厳密に言うと「故障ではない」という話

 

これまでのメルセデスベンツの記事でも度々触れてきました、エアサスの故障についてですが今回お伝えしているW222のSクラスでも例に漏れずエアサスを搭載しています。しかもW222のエアサスは新たにABC(アクティブボディコントロール)となり、大幅に進歩しています。これは備え付けられたカメラで路面の情況を把握し、サスペンションの動きをコントロールするという超先進的なシステムで、別名マジックボディコントロールとも言われます。

 

あらゆる路面状況でも車体を徹底的にフラットに保つための機能ですが、これなしでもSクラスはアスファルト上では高い次元で安定しているのでかなりのオーバースペックですね。そして良い部品だけあって故障した時のダメージは大きいものがあり、純正品では一本当たり20万円と言われています。これは現実として知っておいていただきたいのですが、エアサスは走行距離が伸びれば必ず故障します。故障というよりも走れば走るほど消耗するので、これは消耗部品です。

 

メーカーとしても最上の乗り心地をいつまでも保ってもらいたいという風に考えますので、古くなればまた新品を入れて新車当時の性能を保つことが最善、ということが前提です。交換時期としては大まかな目安として走行8万~10万キロ程度です。もちろんどんなオーナーがどんな環境でどんな運転をするのかによって差は出ますが、だいたいそのくらいの走行距離で交換時期が来ると思っていて間違いないと思います。

 

エアサスが寿命を迎えると問答無用で車高が下がり走行困難となりますので、あまり長く引っ張らずに予防交換が理想です。そしてエアサスの他にも消耗部品は走行距離によってスケジュールがだいたい決まっていますので、以下参考にしてみて下さい。

 

走行5万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • ブレーキパッド+センサー(摩耗の具合に応じて)
  • フューエルフィルター
  • エアフィルター
  • イグニッションコイル+スパークプラグ
  • ブローバイホース
  • ATF+フィルター
  • バッテリー+サブバッテリー交換

 

走行8万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • カムシャフトセンサー
  • クランクシャフトセンサー
  • ウォーターポンプ
  • サーモスタット
  • エアフロメーター
  • フューエルポンプ
  • O2センサー
  • エアサスペンション+アッパーマウント
  • スタビライザーリンク
  • アイドル制御バルブ

 

走行10万キロ前後ごとに行うメンテナンス

  • ブレーキディスク4輪
  • Vベルト+テンショナー
  • エンジンマウントブッシュ
  • カムシャフトカバーガスケット
  • スタビライザー等ブッシュ類一式交換
  • 5万キロ毎の消耗品交換

 

見たことのない専門用語の羅列のようですが、ここで知ってもらいたいのは「どんな国のどんなクルマでも消耗品の交換ありきで車はコンディションを保てる」ということです。走行距離と交換パーツはあくまで目安ですが、だいたいどの車でも上記パーツが当てはまります。見ると分かるかと思いますが走行5万キロ以降に消耗品は集中しています。

 

つまり走行5万キロの中古車は上記のパーツ交換も念頭に買う予定を組む必要があるということですね。もちろん買ったときに全ての消耗品が寿命を迎えていてすぐトラブルが起きるというわけではないですが、そう遠くないうちに消耗品が寿命を迎えて何かしら起こるということが予想できます。

 

そしてこれらのパーツ全てを一気に交換しようとすると確実に膨大な金額になりますので、うまく分散させて負担を軽減させることも重要なポイントとなります。その点に関しては他のメルセデスベンツの記事でも解説していますので、一度ご覧ください。ベンツW222の故障について少しでもお役に立てれば幸いです。

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