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アルファロメオ4Cは故障するのか?購入前に知るべき注意点

アルファロメオ4Cは故障するのか?

アルファロメオ4Cは故障するのか?というテーマでお話させていただきます。アルファロメオの4Cに興味のある方は以下の記事も参考になります。

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アルファロメオ4Cといえば「実現のスーパーカー」とか「ベイビー458(小さなフェラーリ)」とも言われるアルファロメオの中でもスポーツの最高峰に位置するクルマです。

出典:2015 Alfa Romeo 4C Spider Review and Test/autocarstoday

アルファロメオ4Cの4Cは、ヨンシーもしくはフォーシーと読みます。私たち販売店ではフォーシーと呼んでいました。アルファロメオ4Cは僕の営業時代では輝かしい存在でした。あまりにも高価な車であったため全国のアルファロメオ販売店でも展示している店舗は少なかったです。私の販売店は比較的小さかったので試乗車も置いていませんでしたが、たまに本社からアルファ4Cの試乗車を借りてきては試乗体験会を開いていました。そのようなイベントが開催される週末は多くのイタリア車好きが集まり、お祭り騒ぎでした。私も4Cの試乗では案内役を務めさせていただき今でも楽しかったことを覚えています。アルファ4Cの購入を検討される人もいたのですが、関心は故障するのかどうかということです。

アルファロメオ4Cのエンジンは故障する?

アルファロメオ4Cのエンジンは1750CC直噴ターボエンジンですが、1750という排気量も「分かる人には分かる」というこだわりようです。アルファロメオ4Cのエンジンは故障するのかということですが、どこか致命的な弱点があるということではなくしっかりメンテナンスしていればなんら問題の無いエンジンだと思います。サーキット走行をするなら話は別になりますが、ごく普通に使用していれば何かトラブルがあるということもありません。

ライバルではポルシェと比較される人もいますが24時間耐久レースでも走って比較しない限りはその差は分からないのではないでしょうか。あえてアドバイスするとするならば4Cを買う時は試乗車はやめた方がいいと思います。理由はクルマの使われ方にあります。アルファロメオ4Cの試乗では全開走行をする人が多く、走る距離も短いので走行距離のわりにダメージが大きい個体が多いと思います。決してエンジンにはよくない使われ方なので長い目で見ても試乗車は選ばないに越したことはありません。また『アルファロメオミトはどこが故障する?購入してもいい?』でもお伝えしていますが、なるべくチョイ乗りは控えた方がいいエンジンではあります。

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アルファロメオ4CのTCTは故障する?

アルファロメオ4Cには「アルファTCT」というツインクラッチが採用されています。大雑把に言えばクラッチ板が2枚ついていて2ペダルのマニュアル車といった感じになります。詳しくは『アルファロメオミトはどこが故障する?購入してもいい?』で解説していますが、アルファロメオ・ミト、ジュリエッタにも同様のものが搭載されています。アルファ4Cの場合このアルファTCTに対し特別なソフトウェアを組み込み、更なる限界パワーが引き出されるようチューニングが施されています。ローンチコントロールというスタートダッシュをアシストする機能がついていますが、これを一般道でキメるとバン!!というバックファイアとともに尋常でない勢いで加速していきます。

もちろん制限速度内でお願いしたいのですが、このような刺激的なドライブは普通の乗用車ではなかなかできることではありません。このような特殊性を持つ4C専用のTCTですが、故障する心配はほぼないと見ていいと思います。アルファロメオミトの記事でもお伝えしていますが、フォルクスワーゲンのツインクラッチのDSGのような設計上の致命的な欠陥があるわけでもなくセレスピードのように油圧ポンプに負荷のかかるシステムではありません。これまでにトラブルというトラブルも報告されていませんのでそこまで心配することもない、という見方を個人的にしています。しかしもっと長距離を走行してみてどうなるか?という点でははっきりしませんが、それはどんなクルマでも同じだと思います。

アルファロメオ4Cの電装系は故障する?

多くの方が気にされると思いますがアルファロメオ4Cの電装系の故障についてです。私個人として言えることは何かの故障は聞いたことがないということです。ただ、アルファロメオ4Cは本国ではエアコンがない仕様が基本です。なので日本に入ってくるものに関してはエアコンを後付けしています。後付けする過程で何らかの不手際があれば、初期トラブルが出る可能性があるかもしれません。

アルファロメオ4Cはパワーステアリング機能や電動ミラーすらついておらず、徹底的に軽量化が図られています。なので電気で動くシステムが少なく故障する要素が少ないのではないかと思います。あとはアルファ4Cはサッシュレスドアを採用していて、それが強度的にどうか?という不安材料はあります。サッシュレスドアとは「サッシュ=窓枠、レス=無い」の意味どおり、窓枠がないウィンドウガラスのことです。それが将来的に故障するのかな?という不安も個人的にはありますが故障するとしてもかなり先の話になると思います。

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アルファロメオ4Cは故障より気にすべき点がある

アルファロメオ4Cの故障について気にされるというのも分かりますが、私から見ればそれより気にすべき点があるかもしれません。これからアルファロメオ4Cの購入を検討される方は以下の内容を知っておいた方がいいかもしれません。

アルファロメオ4Cの雨漏れ問題

これは故障というよりメーカーも「仕方ない」と見ている部分になりますが、アルファロメオ4Cはサッシュレスドアを採用しています。ですが雨が強い日などはガラスとゴムの隙間から水が侵入してくる場合があります。あまりにもひどい場合は保証の対象となり、対象期間内であれば部品交換などの対応を受けることができます。しかし少量であれば「仕様です」と言われるだけです。アルファロメオ4Cはこういった点からも乗用車らしからぬ仕様です。よくスーパーカーは雨の日には乗るものじゃないという話がありますが、雨漏れ対策が不十分なことからきているのかもしれません。私が知る限りではアルファロメオ4Cのオーナーさんで嫌になるほど雨漏りしてしまったという人はいなかったのですが、多少の雨漏れは容認する必要がありそうです。

アルファロメオ4Cスパイダーのソフトトップの雨漏れは?

アルファロメオ4Cにはオープンカータイプの「スパイダー」というモデルがあります。これはアルファロメオ4Cの屋根を開けて走ることができるという、さらに特別ともいえるモデルです。私が試乗した時かなり欲しいと思ってしまったモデルですが、一方で「洗車機には入れない方がいい」というメーカーさんからのアドバイスがありました。これはアルファ4Cスパイダーに限らずソフトトップ型のスポーツカーの宿命ですが、洗車機の水の勢いに耐えきれず車内に侵入してしまう恐れがあります。

アルファロメオ4Cを購入する人では洗車機を使う人は少ないかもしれませんが、もし自分で洗車するときも優しく洗った方がよさそうです。またソフトトップはキャンバス生地なのでボディより早く劣化してしまう可能性は否定できません。10年先では穴が空いてしまったり色落ちしてしまったり、何が起こっても仕方がありません。少しでも長持ちさせるコツとして、

  • 屋根付きの駐車場で保管する
  • 定期的に防水スプレーでメンテナンスする
  • ボディカバーを装着する
  • ソフトトップ用のコーティングをしてもらう

など実は長持ちさせる方法はいろいろとあるものです。少し値段は張りますが、ソフトトップ用に専用コーティングをしてくれるお店も出てきましたので活用してみるといいです。自分で出来る対策としてはソフトトップに防水スプレーを施すという方法などもあり、オープンカーだからといって諦めてしまうこともないと思います。雨ざらしのノーメンテナンスが最もよくないです。

アルファロメオ4Cで事故を起こすと?

アルファロメオ4Cはボディが少し特殊で普通の工場では直すことができません。具体的に言うとボディ全体が軽くて丈夫なガラス繊維で出来ているような感じです。なので事故を起こしてしまったらアルファロメオが指定する工場まで搬送しなければいけません。フェラーリのようにボディパーツが本国にしかありませんというようなことはありませんが、普通の乗用車より修理の工程に手間がかかることは否定できませんそういったこともあるので4Cを購入するときは予備知識として入れておいた方がよいかもしれません。

アルファロメオ4Cのメンテナンスについて

アルファロメオ4Cのメンテナンスは基本的に販売店か、もしくはアルファロメオ正規ディーラーでしかできないと思っていた方が良さそうです。それは4Cの専用の工具がいくつか必要になるからです。分かりやすい例でいえば、4Cは普通にジャッキアップすることができず、メーカーが用意する専用の工具が必要になります。メンテナンスに関してはそう難しく考える必要はなく、購入した販売店で継続してやってもらえばいいというだけで済んでしまいます。ところでよく輸入車は専用工具が必要だ、という人がいます。私のアルファ155も民間の整備工場などに問い合わせると「輸入車は専用工具が必要なんですよ」と言って断られるケースがあります。

ですが実際に専用工具が必要となるのはアルファロメオ4Cのような乗用車離れした車でない限り少ないものです。日本車も欧州車も基本的には工具のサイズはメートル法で統一されていますので、日本車でつかっている工具はそのまま欧州車でも使えるはずです。アメリカ車はインチ法なので、インチに対応した工具が必要です。私のアルファ155は欧州車なのでメートル法の工具が使えます。なおかつ本国ではCセグメントと言われる大衆車に分類されるので、専用工具が必要なスペシャルな部品は特に使われていないと推測できるのです。いまどき輸入車お断りの整備工場の技術レベルはあてにあらないと思います。

それでも私がアルファロメオ4Cをお勧めしたい理由は?

私の営業時代ではありとあらゆる輸入車を乗る機会がありました。フェラーリのスーパーカーのような車から、ヨーロッパ本国でよく見ることができる大衆車等々、さらにそれらをサーキット走行する機会もありました。その中でも私はアルファロメオ4Cは特別な車だと思っています。日本国内では車は白物家電化しているともいわれてしばらくが経ちます。そんな車が多い中、私が初めてアルファロメオ4Cを見たときの印象は衝撃的でした。きっと初めてポルシェを見たときよりはるかにインパクトが大きく、まぎれもなくそれはアルファロメオのスーパーカーでした。他のどの車にも似ていないデザイン。これが生きたデザインか、と感動したことを覚えています。アルファロメオのデザインセンターは、歴史的なアルファロメオの名車「Tipo33ストラダーレ」の面影を4Cに残しました。

なのでそのシルエットはどこか歴史の重みを感じるものでした。実際に運転してみるとまさにレーシングカーそのものといった感じで、アルファロメオがこういう車を造りたいという気持ちが伝わってきます。実用性はほぼ皆無かもしれませんし万人受けもしない車ですが、これはクルマの運転を純粋に楽しみたいという人にとっては最高のマシンです。エンジンや排気音はどこか往年のアルファロメオを彷彿とさせる野太く乾いたものです。文字にしてみると単調ですが、これは本当にわかる人には分かるやつだな、と思いました。乗ればわかるすごいクルマということですね。アルファロメオ4Cの故障や購入についてお役にたてることを祈っています。

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