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アバルト595は故障しないしつまらないのか?

アバルト595は故障しないしつまらないのか?

アバルト595は故障しないしつまらないのか?というテーマでお伝えしていきます。アバルト595に興味のある方には以下の記事も参考になります。

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出典: Fiat 595 Abarth (2017)/netcarshow.com

アバルトは熱狂的なイタリア車ファンであれば誰もが知っているメーカーです。私も2016年まで営業として販売に携わっていました。アバルトの新車販売は2015年まで一部のフィアットディーラーでの取り扱いのみでした。しかし2016年にはアバルトの全国展開が決定し、それに伴って私もアバルトのメーカーの勉強会に参加しました。つくばサーキットでアバルトシリーズの一気乗りをさせていただいた時は最高潮の盛り上がりでした。ルノーのルーテシアなどの競合車種を用いた大試乗会となりましたが、そこではアバルトの真価を目撃することができました。

旧アバルト500、595ツーリズモ、595コンペティツィオーネのMTAや左ハンドルMTなどなど、一気にサーキットで走らせたときの歓声はまさにレース場そのものです。アバルトで働くセールスマンはみんなイタリア車が大好きです。「男の120回ローン!」と言ってアバルト595を買ってしまう人は後を絶ちません。アバルトに惚れてしまった人たちのことを「サソリの毒にやられた」などと表現しますが、まさに魔性の魅力を持っています。現在はアバルトを含めイタリア車はどんどん進化しています。よくも悪くも、往年のファンにとっては寂しくなるような変化も確かにありました。それでもアバルトは、僕たちイタリア車ファンが必要とする魅了を守り続けています。

アバルト595は故障するのか?

アバルト595の故障について心配な人もいるかもしれません。ですが車好きの方の中には「イタリア車は故障したら直す、それが楽しみ」という人がいます。故障して直すことの楽しみとして車が故障すれば世話を焼くことになります。自分でどこが悪いのか、というのを点検してあげる楽しみや、故障したところを直したら車がすごく元気になった、という喜びは故障するクルマでしか味わうことができません。私が乗っているアルファ155は古い車なのでたまに自分でメンテナンスをします。お財布事情のせいで大きな故障があれば気持ちはへこみます。でも自分でメンテナンスしてみて車が元気になれば愛着も湧いてくるものです。

ですがアバルト595は自分でメンテナンスして世話を焼かせるような問題児ではなくなりました。新車購入後の3年間はメーカー保証が付いてくるのでまず故障による出費の心配はほとんどなくなってきています。ロードサービスも3年間年中無休で受け付けているので、旅先でのトラブルでも対応してくれます。加えてオプション設定で延長保証も選択できますので、よほど品質に自信がなければできないサービスです。極端に言えばアバルト595はオートマ限定免許の女子大生でも通学で使えてしまうくらい維持のハードルが低くなりました。車の知識がほとんどない人でも万が一のトラブルに合う可能性がほとんどない、というクオリティの高さだと思います。

故障はゼロとは言い切れませんが基本的にフィアット500と共通の部品が多いです。なので部品単価がそれほど高額になるケースも少なく、もし故障があったとしても年間で5万~10万円程度のマイナートラブル対策費があれば収まってしまう可能性が高いと思います。10万円を超えるような故障が起こる可能性も低いと思います。しいて懸念材料を挙げるとするならばメーカー保証が切れた後のMTAの故障です。MTAの基本的な構造はフィアット500のデュアロジックと同様なので気を付けるべき点やメンテナンスはほぼ変わりません。

デュアロジック故障を防ぐためのフィアット購入術とは!?』にて、フィアット500のデュアロジック故障に関することをお伝えしています。MTAを検討されている方はぜひ一度ご覧いただくことをお勧めします。デュアロジックは故障するからやめておけという人がいます。ですが「デュアロジックが故障してしまう原因を考えたことがありますか?」という質問にきちんと答えられる人は少ないです。なんでもそうですが、調子が悪くなってしまう原因を考えるということはとても大切なことだと思います。アバルト595は故障こそ少なくなり、品質も今風のイタリア車になりました。

それでもアバルト595はフィアット500ほどの車体に、コンペティツィオーネでは180PSのパワーとドッカンターボ的な加速フィールを兼ね備えています。乗りにくさ・実用性においては最低水準なので大抵の日本人はアバルト595を乗りにくいと感じます。ですがそんなアバルト595のハードルを乗り越えた先に圧倒的な個性と満足感があるのです。誰も購入するところまでたどり着けないので、乗り手を選ぶ車です。そんなアバルト595を操る快感を感じられる人こそ、このクルマに乗る資格があります。

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アバルト595より695ビポストのドグリング故障が怖い

アバルトには超最強のモデルがもう一つあります。それは695ビポストという車です。ビポストとは2人乗りを意味しますが、その名の通り後部座席は取っ払われ、徹底的に軽量・剛性化されたモデルです。エンジンも脅威の190PSで車重は1トン以下、トランスミッションもレース用というやりすぎな仕様です。695ビポスト専用でドグリングというものを採用していますが、これが「シンクロなし」というこれまたやりすぎな仕様となっています。アバルトのメーカーさんからは私のような素人が扱えば簡単に壊してしまうともいわれました。

695ビポストは街乗りではキツ過ぎる足回りにストイックなシートなどが相まって実用性は悲しいほど低いです。ですがレースカーとしてみれば自走で会場と自宅を行ったり来たりできるし、日本の公道も普通に走れるという点がすごいところです。アバルト595ではかろうじて後部座席がありますし、ビポストほどガチガチな乗り味というほどでもありません。それにドグリングのように多少雑なギアチェンジでも故障するようなことはないのでビポストに比べたらはるかに実用的です。

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アバルト595を故障させないメンテナンス

アバルト595は以前のイタリア車と比較してもそうそう故障を起こすような車ではなくなりました。もし故障があるとしても新車で納車されてから3年以内に製造ムラによる初期トラブルが吐き出されるという可能性が高いです。現在のアバルトの新車販売では無料で3年間のメーカー保証が付帯しているのでその期間中であれば自己負担での修理の心配はいらないです。最初に初期トラブルを吐き出してくれればそのあとは比較的安定して乗り続けることができる可能性が高いと思います。

あとは納車されてからのメンテナンスですがディーラーに基本的にお任せして大丈夫です。ですが『フィアット500の故障は防げる!どうメンテナンスする?』でもお伝えしている通り、ディーラーの言うことすべてが正しいとは限らないということがあります。特にデュアロジックに関してはいかにもメンテナンスフリーを謳っていますがそうではないと思っています。特にアバルト595の故障で怖いと言われているのがMTAを搭載した車です。デュアロジックおよびMTAの専用オイルの交換はもっと早めにしないと負荷が大きいような気がしますし、将来的には消耗品交換が必要なミッションである、ということを忘れてはいけません。

かなり切迫した言い方をしてしまいましたが基本的には洗練を重ねられてきたミッションですので、取り越し苦労で終わる可能性の方が高いとは思います。詳しくは上記のフィアット500のリンクにて解説しておりますので、アバルト595をご検討の方は一度ご覧いただくことをお勧めします。

アバルト595の車検は高額になるのか?

アバルト595の車検は3年目の車検は大した金額にならないと思います。年間で2万キロ以上走る方は例外ですが、1万キロ程度であれば大きなメンテナンスは発生しません。しかし5年目以降の車検ではまとまった消耗品交換があるので大きな出費が予想されます。アバルト595をはじめとする欧州車では5万キロを目途に部品がまとまって寿命を迎えます。具体的には、

  • スパークプラグ
  • イグニッションモジュール
  • タイミングベルトキット
  • ウォーターポンプ
  • ブレーキパッド
  • ブレーキパッドセンサー(ブレーキパッドと一緒に交換)
  • ブレーキディスク
  • ブローバイホース
  • ヘッドカバーガスケット
  • フューエルフィルター
  • エアフィルター
  • クランクシャフトセンサー
  • カムシャフトセンサー
  • アッパーマウント
  • フロントショックアブソーバー

実にこれだけの部品が交換時期となります。最初は上記の部品が何なのかは今は分からなくても問題にはなりませんが、5年目以降の車検時にはこれだけの部品がまとまって交換を勧められるということです。車種によって交換が必要な部品はばらつきがありますが、車の構造は似たり寄ったりなのでだいたい同じです。正確な消耗品の種類については整備士さんに確認することをお勧めします。

問題なのは車検時に一気に部品交換をしてしまおうという点が挙げられます。一気に部品交換してしまうとまとまった金額が必要なので家計にも大きな負荷になってしまいます。なので車検をきっかけにアバルト595を手放すか、新しいクルマに買い替えるかの選択肢に追い込まれてしまいます。それがディーラーの販売戦略になっているのが現状です。しかし頭さえ使えば私たち消費者にもまだ選択肢は残っているはずです。

アバルト595をはじめとする欧州車では5万キロを目途に消耗品が一気に寿命を迎えるというお話をさせていただきました。そして現実としてはその消耗品交換にかかる費用が負担となり手放してしまう欧州車ユーザーが多いのです。なぜ高額な車検代に追い込まれてしまうかというと、

  • 車の消耗品のサイクルを把握していない
  • 車検時に請求されて一気に交換しようとする
  • 消耗品の交換サイクルを把握していないがゆえにある日突然トラブルを起こす

などが挙げられます。車の消耗品はどの車もだいたい決まっているのです。そして交換するとしたらいくらかかるか?という情報や何キロ走ると交換時期なのか?ということも事前に調べることは可能です。それらを知らずに車検を迎えた時点で「こんなにかかるのかよ!」という風になってしまうのです。悲しいことに今の日本では未だにそのような事態が続いています。欧州車は特に5万キロをめどに部品の寿命が集中しますので、5年目の車検で一気に来るのです。

アバルト595をはじめとする欧州車では、走行距離ごとにどんな部品を交換しなくてはいけないのか、それらを交換するのにはいくらかかるのか、少しでも安くするにはどうすればいいのかというのことを考えなくてはいけません。実は国産車でも5万キロも走れば似たような消耗品交換が発生します。なので5年目以降の車検が妙に高かったという方も多いはずです。ですがよく考えてください。部品交換は車検時に一気にやらなくてはいけないなんていう法律はどこにもないのです。例えば走行距離が4万キロに差し掛かった時点で、5万キロで寿命になる部品を少しづつ交換していくということも可能なのです。

私はアルファロメオ155という、古いイタリア車を維持しています。あと何キロ走ればどの部品が寿命になる、というのを把握しているので「今月はスパークプラグを交換しよう。余裕があれば、来月はエアフィルターとバッテリーも交換しておこう。そのためにはいくら予算が必要なのか調べておこう」という風にある程度計画を練ってメンテナンスをしています。そのおかげか車検当日にはどこもメンテナンスするところがないので、自賠責保険と重量税を払ってだいたい10万円程度に抑えています。

古いイタリア車となれば40~50万円はいく、というようなイメージを持っている人が多いと思いますがそれはあなた次第ということなのです。ましてや新しいアバルト595であれば、国内でも部品はふんだんにありますしもっと安くあげる方法はあるはずです。イタリア人が維持できて日本人が維持できないなんてことはないはずです。発想の転換でいくらでも安くする方法がありますので、アバルト595を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。アバルトについて少しでも参考になれば幸いです。

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